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中国の太陽光発電事情

こんにちは、中卒くんです。

先日、ちょっと気になる記事があったので紹介します。

 

中国本土の太陽光事業者、上場32社中29社が黒字見込む(中国二季報 2018-02-07)

 

有料記事なので内容は伏せますが、どうやら思った通り、中国の太陽光発電関連事業者は今年かなり儲かっているようです。

 

先日、報道番組をみていたところ(国際報道2018だったかな?)、アフガニスタンのケシ畑のニュースをやっていました。曰く、

「以前は散水用の水を汲み上げるのに重油を燃やしてポンプを動かしていたが、いまは中国製の安い太陽光パネルのおかげでランニングコストゼロで散水できるようになった。生産性が上がった。ありがたい。」

とのことでした。それら多結晶シリコンの太陽光パネルはカブール市内の雑貨屋で庶民でも簡単に手に入るらしいです。見るからにペラペラで、まるで小学生の教材のような安っぽい、プラスチッキーな製品でしたが、彼らにとってはそれで必要十分なのですね。

 

トランプ大統領が中国製太陽光パネルの輸入に対してセーフガードを発動させたことからもわかるとおり、ここ数年で中国製太陽光パネルの競争力は飛躍的に高まっています。2015年頃までは数十社がひしめく状態でしたが、ここ二年間の度重なる買収と破綻、合弁によって、上流のインゴット製造、ウェーハ製造は大手8社程度に集約され、競争力でいうならGCLとLONGIが一段抜け出てきているように思います。

Tales from Taiwan Part 2: GCL and LONGi Silicon align to carve out solar industry spoils

 

Longi Silicon Materials 隆基緑能科技 (601012)

高性能、高品質を売りにしているサプライヤーです。近年、モジュール企業なども買収し垂直統合を進めています。単結晶PERCなどの技術開発、長期出力保障保険などにも積極的に取り組んでいるようです。中堅石炭企業の大株主が株価を下支えしているようで、なかなか下がってきません。バリュエーション的には若干割高感が漂うように思います。

太陽光パネルの出力保証に保険、LONGi Solarが初採用http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1708/21/news032.html

 

 

GCL(3800.HK)

高性能から低価格帯まで幅広く扱う総合メーカー。最近はモジュール化も拡充、施工や発電所運営まで垂直統合する方向で動いています。また海外企業買収による知財戦略も活発に行っています。ここ半年ほどは多結晶シリコンによる発電効率を飛躍的に向上させることに成功したようで、株価も大きく動きました。借入金比率は高いものの、PER、EV/EBITDAともに一けた台でバリュエーション的には割高感はありません。

 

なお、先日のニュースをみていたところ、中国国内の太陽光発電効率は1kwhあたり7円弱から8円程度だそうで、これは火力発電を下回る水準。条件のいい場所ならさらに低いコストで発電できるそうで、サウジアラビアの砂漠ではなんと、1kwhあたり2円台の発電が可能とのこと。

【サウジアラビア】太陽光発電プロジェクト入札、1kWh当たり2セントを下回る企業が登場

 

もう火力はオワコンですね。シーメンスもGEも三菱日立も火力部門がお荷物になってきています。中国国内の発電事業者をみても、旧来型の華能や北京大唐などのような石炭火力主体の事業者は決算ボロボロで見るも無残な有様です。火力で生き残りそうなのはゴミ処理発電とLNGくらいなものでしょうか。

 

今後の中国の政策次第ではありますが、再生可能エネルギー分野は極めて魅力的な投資先にみえます。下げトレンドで急いで買う必要もありませんが、じっくりタイミングをとって買っていきたいと思います。

 

 

by中卒くん