【統計】各国別 原油輸出量推移と輸出市場シェアランキング~サウジの影響力低下中
原油の輸出国別シェアは以下のようになっています。
中東(サウジ除く)は、イラン、イラク、クウェート、UAEなどを合わせた数字です。
厳密に国という単位で言うと、世界で一番原油を輸出している国はロシアということになります。
これにつづいてサウジアラビア、米国などとなっています。
さて、ここでこれまでの国・地域別の原油輸出推移を見てみましょう。
ちょっとスプレッドシートがバグってしまって見にくいですが、とりあえず、サウジの原油輸出が頭打ちなのはわかるでしょうか?
もうすこしわかりやすくするために、抜粋してみてみようと思います。
これを見てわかる通り、サウジの原油輸出量は頭打ちです。
オイルショック前の水準に戻していません。
そして、中東のサウジ以外の国々が原油輸出を増やしています。
また、ロシアも着実に生産量を増やしています。
更に言うと、シェールオイルの影響で、アメリカの原油輸出量が非常に膨らんできていることもわかると思います。
世界の原油輸出市場においてサウジは未だに強い立場にありますが、しかし、その影響力は確実に落ちていっています。
なお、上記はあくまでも原油マーケットだけをみたものです。
この10年20年で、エネルギー源は原油だけでなく天然ガスなどの利用も増えました。
また、太陽光、風力発電などの再生可能エネルギーもどんどん導入がふえていっています。
これらは、一次エネルギーの市場を奪い合うライバルです。
サウジがエネルギー安全保障に与える影響力は、どんどん落ちてきています。
一次エネルギー源の多様化は中東各国に共通する悩みです。
カタールにしてもUAEにしても石油以外の収入を増やそうと、いろいろな事業をたちあげてみたり、投資をしてみたりしています。
サウジも、ムハンマド皇太子のもと、世界中のテック系新興企業に投資をしています。
中東各国は、いろいろと試行錯誤している最中です。