【中国/統計】10月の財新非製造業PMIが相当悪化してきている件について
2018年10月の財新サービス業PMIは前月比2.3ポイント低下して50.8
China PMI surveys signal business activity growth at weakest in two years
サービス業PMIの50.8という数字は2017年9月以来1年1カ月ぶりに低い水準。
さらにそれを下回ると、2015年12月以来となります。
新規受注が前月の52.4から今月は50.1と伸び悩んでおり、2008年11月以来の低水準。
雇用は50より上に回復してきましたが、雇用者数の伸びは他の統計からみても低い伸びにとどまっており、以前として好不調の境目をうろついています。
財新サービス業PMIの発表を前に、先週金曜日に財新製造業PMIも発表。
こちらは好不調の境目である50を若干上回る50.1に改善・・・改善とはいっても、十分に低い水準。
とりあえず、米中貿易戦争の影響により製造業PMI(とくに新規輸出受注)が先んじて落ちる中で、踏みとどまってきたサービス業PMIも落ちてきており、中国経済の先行きに対してかなり深刻な影響が出てきていることが見て取れます。
今回のサービス業PMIではやや改善しましたが、製造業PMIなど全体をみると雇用も悪化傾向を示しており、高水準の家計債務比率も含めて、中国の家計が節約モード入りする可能性が高まってきています。
これは日本のバブル崩壊後の状況ととても似てきており、現状、異なっているのは不動産価格の推移くらいなものです。
なお、不動産価格に関しても、主導的に動きがちな香港CCL指数などが下落に転じきており、どうにもキナ臭い匂いが漂っています。
【不動産】香港住宅価格指数、中原城市領先指数(CCL)が6週連続で低下
中国はここまで経済段階のステップアップが早かったため、在庫循環をまともに体験していません。
これは日本の60~70年代くらいの時にもあったことですが(要するに高成長ですぐに陳腐化したということ)、どうもこれも、そろそろあるべき循環に入りそうな気配があります。
世界の需要の15%超を占める中国で循環的に景気減速方向に転じた場合、頼る先はアメリカしかありません。
いろいろと、慎重に見ていくべき局面に入っているのではと思います。
以上です。