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インテル製CPUが足りない?~マイクロンテクノロジーCEOコメント~

インテル製CPUが足りていない~マイクロンテクノロジーのデビッド・ジンスナーCEO談~

 

半導体大手マイクロン・テクノロジーのデビッド・ジンスナーCEOが自社の売上高見通しなどについて語っています。

 

このなかでマイクロンテクノロジーズのジンスナーCEOは、「米中貿易戦争における関税問題は克服できる見通しだが、それには1年程度の時間がかかる」旨の発言をしており、これが嫌気されて時間外で株価は大きく下落しています。

もう一つ重要な点として、ジンスナーCEOは「ノート型およびデスクトップ型のパソコン用のCPUが足りていないことも低調な売上見通しの一因となっている」旨の発言をしており、これも注目を集めています。

Micron shares slide as US tariffs weigh on outlook ロイター

Zinsner said the lower revenue forecast was partly attributable to a shortage of CPU chips for personal computers and laptops.

“They’re a big driver of obviously why we guided in that direction,” Zinsner said on the call. “I don’t know exactly how long the CPU shortage will last.”

 

インテル製CPUには昨年暮れあたりから様々な欠陥が指摘されており、その改善に時間がかかっていると言われています。(セキュリティホールを塞ぐことは可能だが、その場合には処理速度が著しく低下する)

また、インテルは自社でファウンドリーを抱え、自社でCPUの製造を行っていますが、製造プロセスの変化(14nm→10nm)についていけておらず、この点で外部ファウンドリー(具体的にはTSMC)に依存するAMDに負ける可能性が出てきているのもインテルの気がかりな点となっています。

Intel outlines its struggles with 10-nm chip production The Tech Report

 

 

インテル INTC 日足

 

 

 

 

 

ファウンドリー事業を抱えているインテル(Intel)が10nmプロセスでの歩留まり問題に直面するなか、ファウンドリー事業を抱えずTSMCに製造を委託しているAMD(Advanced Micro Devices)は一足飛びに7nmプロセスでのCPU開発を加速させており、このあたりで両社の戦略の違いが表れてきています。

 

インテルのトラブルを受け、AMDが間隙を突くように業績拡大する可能性が予想されています。AMDの株価はこの半年で3倍以上になっています。

 

 

 

AMDは次期7nmプロセスCPUである「Zen 2」と「Navi」をTSMCに製造委託すると発表しています。

また同時にGPUにおける開発競争でも、Nvidiaに先んじてAMDは7nmプロセスでの開発を加速しているそうです。

AMDのLisa Su氏はComputexで7nmプロセスのハイエンドGPU「Vega」を発表しました。すでにこのAMDの7nmプロセスGPU「Vega」を積んだ「Radeon Instinct」はサンプル出荷しているとのことです。

【後藤弘茂のWeekly海外ニュース】AMDが投入する世界初の7nmプロセス …

ただ、ここで気をつけて置かなければならないのは、このRadeon Instinctに使用されるVegaチップの製造委託先がグローバルファウンドリーズ(Globalfoundries)であること。

じつは、グローバルファウンドリーズ(Globalfoundries)は7nmプロセスの研究開発を諦め、10nm以上に特化していくことを発表しています。

GLOBALFOUNDRIES7nm開発を無期限停止へ (1/2)

 

一応、さきほどのDr.Lisa Suによると、AMDの7nmプロセスGPU「Vega」およびそれを使った「Radeon Instinct」の投入はTSMCに移行しても遅れないとの発表はされています。

AMD confirms first 7nm GPU for late 2018 and 7nm Zen 2 CPUs for …

でも、ここらへんはTSMCの生産能力次第な面もあります。もともとAMDの次期CPUである「Zen2」や「Navi」を作るはずだったラインを使うのだとすれば、むしろ今度はCPUの方が足りなくなる可能性もあります。

 

とりあえず、そんなわけでしばらくは色々な供給制約が起きているなかで、DRAM、NANDなどの需給が動いていく状況になっています。

 

 


 

 

なお、個人的な見通しを語らせてもらえるなら、「半導体市況に対する懸念はちょっと過剰じゃないの?」という気はします。

とくにNANDにかんしては、積層化が進展して価格の下落はかなりハイペースで進むと個人的に予測していますが(生産性の向上によって1年で半値、2年で1/3以下になっても不思議じゃないと見ています。かつてDRAM市場で起きたことと同じです)、同時にその価格の下落で生み出される市場も非常に大きなものになると思っています。

たとえば、icloudに入れているデータは現在、月額50GBで130円、200GBで400円、1TBで1300円もします。

2018年9月現在、iPhone用ライトニング端子のついたフラッシュメモリドライブ128GBの価格は8000円ほどです。

 


Apple認証 iPhone Usbメモリ128GB

 

こういった商品が半値、1/3の値段になったら、iCloudの契約容量を一段階さげる人も出てくるのではないでしょうか。

android携帯だったら、メモリカードが値下がりすれば入れ替える人も増えるかもしれません。

とりあえず、まだまだこうした大容量化への需要自体は大きいはず。

よほど大きな景気後退でもこないかぎり需要が急減するはずもなく、現在のマイクロンの株価が織り込んでいるリスクはちょっと過剰じゃないかなぁ?という気がします。

まぁ、予想があますぎるかもしれませんし、マイクロン株を買うかと言われれば、今のタイミングでそれはないのですが。。。