2018年3月鉱工業生産速報5のつづきです。
とりあえず、前回までと同様に見ていきましょう。
直近4か月と前年同月を比較して、変化率を%で示しています。
それでは在庫指数4枚目をみてください。
化学製品の在庫が全体的に急増しています。例外はポリエチレンテレフタレート(PET)とアクリロニトリル。清涼飲料売上上位を占めるコーヒーが、缶からペットボトルにかわってきており、その影響があるかもしれません。石塚硝子などに影響。
インバウンド需要で活況の化粧品関連ですが、全体的に在庫増加です。美容液だけが在庫減。出荷在庫バランスからすると健全ですが、循環的には第一象限でくるくる回っている感じ。インバウンド需要が何らかの需要で落ちたあとが怖い状況です。
製紙パルプは減少傾向。出荷も伸びており非常に健全なセクター。
ニット製外衣は生産、出荷が凄い勢いなのに在庫は減。かなり強い動き。島精機とユニクロに注目。
金属製机、いすの急増は何でしょうか。よくわかりません。
金属製保管庫も在庫が増えています。出荷は減少していましたので、第二象限入りです。
システムキッチンなど住設関連も在庫が増えています。
在庫指数5枚目
電池式時計、ムーブメントは大幅な在庫減少。好調な動きです。
文具類のところに在庫増加が見えます。出荷も落ちていますし、微妙な感じがします。パイロット、三菱鉛筆など。
以上です。
総じていえることは、
在庫循環的にはピークを打った
ということだと思います。
出荷の伸びはゼロ、在庫は急速に積みあがっています。
多くの業種で在庫の積み上がりは意図的なものですが、中にはそうでないと思われるものもあります。(たとえば建材や住設関連。CCD、CMOSなど半導体)そういったものは出荷減も併発しており、非常に懸念されます。ソニーの株価にも反映されはじめています。
また、意図的に積み上げた在庫であっても、なにかしらのきっかけで暗転する可能性もあります。(たとえばインバウンド需要で伸びている化粧品類)
ポジティブな業種では、建機・重機などと、それに使われる油圧関連機器が伸びています。これには今のところ翳りはほとんどみえません。
鉱工業生産指数を眺めてあれこれ考えるのはとても楽しいですね。
データの集計から発表までが遅すぎるので、先読みをある程度する必要がありますが、個別株相場に使いやすいデータだとおいらは思います。
他の統計などにも気が取られてしまって纏めるのに時間がかかりましたが、とりあえず3月分の鉱工業生産指数はこれにておしまいです。
おつかれさまでした。