どうもこんばんは、中卒くんです。
先月、こんな記事が世界を駆け巡り、ちょっとした衝撃を与えました・・・
中国、アフリカ連合を盗聴か 「中国製」本部ビルからマイク 仏紙報道
要約するとこんな感じです。
・エチオピアの首都アジスアベバにアフリカ連合(AU)の本部ビル建設計画が浮上
・中国最大のゼネコン、中国建築工程総公司がこれを受注
・中国側が用意したアフリカ支援金200億ドルの一部で建設することに。
・建設資材は中国から輸送。建設作業員も中国から派遣。必要資金も中国から援助
・通信システムも、オフィス家具までも中国側が用意。
・本部ビル正式稼働直後から、毎晩真夜中になると通信量が異常に増加しはじめる。
・アフリカ連合側の技術者がよくよく調べてみると、情報システムにバックドア(他のPCからサーバーを操作できるようにする裏口)の存在を発見。
・さらに調べると、机や壁から小型の盗聴マイクも発見
・中国が設置したシステムは、昼間のうちにアフリカ連合各国の様子を盗聴しておき、深夜にそれらデータを中国のサーバーに送信していた。。。
とまぁ、こんな感じのことをフランスのルモンド紙が暴露してしまったのです。
かつてはアメリカも国連本部ビルに対して盗聴行為をしていると噂されていました。いまはそれを中国がアフリカ諸国にやっているというわけです。
これについてアフリカ連合は非難声明を出していません。それどころかAU議長を務めるルワンダのポール・カガメ大統領は
「スパイ活動は中国に限ったことじゃない」
と、大人の対応をしています。
すばらしいですね。
どんだけピーナッツを握らされているんでしょうか・・・
それで、問題はこれからです。
中国の通信機器は主に
Huawei(ファーウェイ、華為技術)・・・未上場
と
ZTE(中興通訊)・・・SZSE 000063、SEHK 0763
が有力なのですが、この二社に対して米国は以前から物凄い警戒心を示しています。
たとえば
政府契約企業のHuawei、ZTEの機器の使用禁止法案、米議会に上程
Huawei, ZTE Banned From Selling to U.S. Government
一番上のZTEは論外として(北朝鮮に300回近く通信機器を販売したり、米国製通信機をイランなどに販売など・・・信じられません)、ファーウェイのほうは確たる証拠もなしに販売規制されている状況です。
むしろ一番下の記事なんて、アメリカ政府として露骨にAppleを保護しようとしているようにしかみえません。WTO違反じゃないんですか、これ。
とりあえず、それでHuaweiとZTEはアメリカ市場を諦めて、ターゲットを欧州と日本に定めています。特に、ノキアやエリクソンなどが強い欧州よりも、日本にかなり注力をしているようです。先日も
ZTE Targets Japan For 5G Development, Teams Up With SoftBank
と報道がありました(ZTEとソフトバンクが日本における5Gで提携ってニュースです )。
以前からもソフトバンクと5Gの実証実験を繰り返していましたし、ソフバンの小型端末などはZTEから調達していましたから、5G で食い込んでくることは予想の範囲内です。
しかし、他社の1/5という破格の値段は驚きです。(offering networking solutions for roughly one-fifth of the cost of its rivals)
メチャクチャ安いです。
アフリカ連合じゃなくたって、飛びつきたくなる気持ちはわかります・・・
・・・しかしこれ
だいじょうぶなんでしょうか???
安いものには裏があるといいますし・・・
個人的にいうと、ZTEの更生を信じて良いとは思います。これだけ叩かれましたし、さすがにもう悪さはしないでしょう。世界中の技術者が疑念の目でデバイスを探ってますから、Backdoorがあれば誰かが突き止めているはずです。ですから、そこまで心配しなくても良いとは思います。
とはいっても、通信網っていうのは、身体で言えば神経網です。
その神経網を、自国の宗主国アメリカが仮想敵国とみなす国の企業にゆだねて良いとは思えません。そのうちアメリカから横やりが入って、直前で契約破棄をしなくちゃならなくなることもありえます。ソフトバンクの経営においてそれは重大なリスクの一つです。
今からでも遅くないのですから、ちゃんとアメリカとすり合わせた方が良いと思うんです。
とりあえず、アフリカ連合へのスパイ事件をみていて、誰でも知ってそうな薄っぺらいことを偉そうに語ってみました。
とりあえずおしまい。
つぎはもうちょい中身のあることを書こうかな・・・
by中卒くん