5G基地局向けコアチップ『Huawei TIANGANG』の強みは、実証実験が済んでいること~他社がファーウェイに追い付くには1年以上必要か?

5G基地局向けコアチップ『Huawei TIANGANG』の強みは、実証実験が済んでいること~他社がファーウェイに追い付くには1年以上必要か?

 

先日、ファーウェイ(Huawei/華為技術)は5G基地局向けコアチップ『Huawei TIANGANG』を発表しました。

この北斗七星を名前に用いた5G向けコアチップ『Huawei TIANGANG』ですが、その性能の高さもさることながら、開発のスピード感にも驚くべきものがありました。

『Huawei TIANGANG』に関してファーウェイは、すでに2018年末にはプレ商用試験、検証をすべて終えており、あとは商用展開に向けた体制を整えるだけと発表しています。

たしかに、ファーウェイの設備を運ぶ写真などが昨年秋くらいからネットで出回っていましたので、何かやっているのはわかっていましたが、やっぱりなぁ…という感じです。

とにかくスピード感がはやい。

このスピードには、他社はついてきていません。

たぶん一年半くらいは遅れるんじゃないかとみています。

ファーウェイの場合、自社内でチップから基地局設備まで作りますので、IoDTやIoTのスピードが格段に違う。

そのあたりの影響が出ているように思います。

 

 

 

 

5G基地局向けコアチップ『Huawei TIANGANG』

ファーウェイ/Huaweiが語るところによりますと、『Huawei TIANGANG』はアクティブアンテナユニットAAUに改善があり、5G基地局ユニットを従来に比べて半分の容積、23%の軽量化をすることができるとのこと。

また、コンピューティング能力は従来品の2.5倍、21%低消費電力化するほか、一つのコアチップで64チャネルの周波数帯域に対応、基地局設置にかかる時間も4G基地局よりも半分になるとのこと。

まぁ、基地局設置時間はチップ性能とはあまり関係がないでしょうが、さらっと混ぜ込んでくるあたりが面白いところ。(笑)

 

また、現在のところはミリ波帯域は封印のようですが(Frequency Range 1・・・Cバンド、3.5GHz、2.6GHzに対応)、PLGを採用しているようで(当然か)、将来的にはFrequency Range 2にも対応とのこと。

特別なものはなにもありませんが、卒なくまとめてきたな、という印象のチップになっています。

 

 

 

ぶっちゃけ、通信ネットワーク系の技術者なら、さっさとこれ導入して触ってみたいなぁ・・・というのが願望じゃないでしょうか。

いつになったら出てくるのかわからない他社の5G設備を待って、短い時間で忙しくテスト作業させられるより、さっさと新しいものを利用させてくれよ、という感じでしょう。

 

 

また、アプリ開発者だってそうです。

中国の連中が新しい技術で面白いアイデアを実現させてしまったら、自分たちの仕事がなくなってしまいます。

5Gは、本当にできることが4G導入時より多い。

5Gは超高信頼低遅延URLLCがキモになる

ハードウェアの技術導入に遅れたなら、間違いなくソフトウェア開発は後進国になります。

技術優位性を日本が完全に失う可能性がある。

生産現場の生産性だって、大きく変化するかもしれない。

生産設備の基盤となるソフトウェア技術だって、ぜんぶ持っていかれてしまうかもしれない。

 

先日、ニューズウィークに丸川知雄さんという方が「ファーウェイ問題の核心」という記事を書いていました。(2019年1月22日)

概ね悪くない意見なのですが、ひとつ気になったのが

「日本の通信事業者が、経済性と発展性に優れた機器サプライヤーを排除して、果たして消費者にとって魅力のある5Gのサービスを適正な価格で提供できるのか疑問である。5Gへの投資を急がず、米中摩擦のほとぼりが冷めるまで様子を見るというのも一つの選択肢である。」

・・・というもの。

 

 

 

いや、これはやばい。

これをやってしまったら、日本は最新のアプリ開発環境から遠ざかってしまいます。

医療現場で5Gを使おうとしても、製造現場で5Gを使おうとしていも、工事現場で5Gを使おうとしても、ゲームや動画配信や浮気用マッチングアプリからエロイプまで、5Gでしようとすることすべて、中国の技術を利用しなくちゃならない時代がやってくる。

そんなことは絶対にさけるべきなんです。

 

とりあえず、そこらへんも含めて5Gの技術開発を急がないと、本当にまずいと思います。

以上。