【3900】クラウドワークスの業績と株価~在宅ワーク斡旋業
今回は、在宅ワークの斡旋ビジネスを行っているクラウドワークスの業績と株価についてみていきます。
まずはクラウドワークスの会社説明と事業内容の説明からはじめます。
クラウドワークスの会社説明と事業内容説明
クラウドワークスは、同社のクラウドソーシングサイト上にて、副業やネット内職、在宅ワークを斡旋するビジネスを行っている会社です。
設立は2011年と比較的新しく、2014年にはマザーズに上場しました。
サイバーエージェントやリクルート、伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどが出資しており、いかにもなキラキラ社風となっているようです。
上場後は上記のようなキラキラ社風も手伝ってか人件費比率が高く赤字が続いていましたが、ここにきて黒字が定着しつつあり、同社の株価も上昇基調にあります。
ただ、この黒字ですが、ちょっと癖があります。
そこらへんはあとで解説します。
クラウドワークスの事業セグメント
クラウドワークスには5つの事業セグメントがあります。
それぞれ
- ダイレクトマッチング事業・・・主力のクラウドワークスです。
- エージェントマッチング事業・・・クラウドテック、サイタ、電縁
- ビジネスソリューション事業・・・電縁、アイ・オーシステムインテグレイーション
- フィンテック事業・・・フィークル、クラウドマネー、デジタルウォレット
- 投資育成事業・・・ベンチャー投資など
となっています。
クラウドワークスの2019年Q1決算・業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1097391576723054592
売上は前年同期比49.9%増と絶好調ですが、前年までの伸びに比べればやや物足りないものとなっています。
営業利益はここにきて黒字が定着してきていますが、しかしこれは、かなり特殊な要因です。
下をみてください。
クラウドワークスの事業セグメント別利益
https://twitter.com/chu_sotu/status/1097391664069406721
https://twitter.com/chu_sotu/status/1097391754330791936
セグメント別にみてみると、クラウドワークスの今Q1決算が異様なものであることに気づきます。(上が前年、下が今年です。)
主力のクラウドワークス事業が分類されているダイレクトマッチング事業は営業赤字が拡大しています。
エージェントマッチング事業は前年に電緑などを買収したことなどにより増益となりましたが
ビジネスソリューション事業は逆に赤字に転落してしまっています。
あわせれば大赤字です。
電緑はエージェントマッチング、ビジネスソリューションどちらにも分けて分類されているようなのですが、具体的にどれくらいの影響がPLに表れているのかはわかりません。
なお、フィンテック事業も凄い赤字を垂れ流しています。
これらをカバーしているのが投資育成事業の黒字、つまりベンチャー投資の回収です。
これを営業利益に計上することで、営業増益に見せています。
ぶっちゃけた話、
クラウドワークスの本業の業績は、前年1Qの方がよっぽどマシだった
ことがわかります。
いやいや、これは酷いです。
いろいろとコストがかかるのはわかりますから、赤字が膨らんでもしかたない。
しかし、投資育成事業の利益を営業利益に載せることで、ちゃんと稼いでいるように見せかけるのは投資家を欺くやりかたではないか?と感じます。
もちろん、ちょっとでも自分でみれば、本業が赤字塗れなのはわかります。
しかし、四季報だけで会社を選ぶような人であれば、クラウドワークスの本業が黒字化したと勘違いするでしょう。
そういうライトな投資家層を狙った短信のような気がしてなりません。
端的にいってしまって、不誠実です。
クラウドワークスは、決算説明資料でテイクレートや売上総利益の推移などをアピールしています。
しかし、一時的な投資利益が押し上げているなら、そんな数字はぶっちゃけどうでもいい。
継続的な利益推移をみることができないなら、何の意味もない数字の羅列です。
クラウドワークスは、会社の雰囲気もキラキラしているようですが、決算資料もとてもキラキラしています。
自分には、そのキラキラがどうにも胡散臭い。
とりあえず、そんな感じでみています。
クラウドワークスの株価
クラウドワークスの株価は、この決算を受けて大幅に上昇しました。
まぁ、中身をじっくり見る人なんてそういないということ。
とりあえず、クラウドワークスのビジネスモデルは、ネットを利用した人足ビジネスみたいなもんです。
基本的に人足ビジネスは羽振りよくキラキラやるものじゃありません。
コストを抑えてマージンとってやるもんです。
クラウドワークスは、今のようにずっとキラキラやっていくのか、それともある時点で考えを改めるのか、そこら辺が分かれ目になるでしょう。
以上。