ベンヤミン・ネタニヤフ首相、起訴される~イスラエル検察
イスラエル検察がベンヤミン・ネタニヤフ首相を収賄・詐欺・背任の疑いで起訴したということです
具体的な容疑内容は、イスラエル国内の通信会社「ベゼク」とその傘下メディア企業に対して、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が自身に好意的な報道をするよう要請。
その代わりに経営上のメリット、見返りを与えていたというもの。
これが収賄罪にあたるとの判断のようです。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相~選挙直前の摘発を受け「魔女狩り」と批判
検察による起訴の方針を受け、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はこれを「魔女狩り」と表現。
イスラエルは4月に総選挙を控えていますが、それに絡めた左翼勢力による追い落とし策だとして非難しています。
なお、自身がベゼクに対して便宜を供与していたのか、また、好意的な報道をするよう要請したのかは明らかにしていません。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる与党リクード、選挙で相当に厳しい状況か?
今回の総選挙、与党リクードにはただでさえ厳しい向かい風が吹いています。
閣僚には汚職をめぐる数々の疑惑が持ち上がっていますし、
対パレスチナへの強硬な姿勢は国際的な非難を浴びています。
無防備なデモ隊に対して水平射撃を行い、数百人の死者を出しています。
国連もこうした事態を受け、人道に対する罪の可能性を指摘しています。
今回のベンヤミン・ネタニヤフ首相起訴は、こうした状況下で行われました。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるリクードに対抗し、元参謀総長ベニー・ガンツ氏出馬
今回の総選挙では、通算13年間におよぶベンヤミン・ネタニヤフ首相の統治が続くかどうか、流動的な状況となっています。
与党リクードは2015年選挙で30議席を獲得(全120議席)。
右派連立与党を結成しました。
しかし、ここもと汚職疑惑が非常に増えてきています。
またベンヤミン・ネタニヤフ首相も起訴されるに至り、政局の行方は非常に不透明になっています。
対抗馬としては、元軍人(参謀総長)のベニー・ガンツ氏がイェシュアティドなどの中道から左派系の連合を結集してベンヤミン・ネタニヤフ首相に対抗しています。
パレスチナ和平に対して積極的とされていますが、一方で植民地の支配強化なども訴えるなど一貫性がみえません。
当然、イスラエル国内では広範な支持を得ているとは言えない主張のようですが、票数でみると勢いがあります。
もしベンー・ガンツ氏が当選した場合には、その後の政局もかなり流動化することが見込まれます。(個人的には、ガンツ氏が首相になれば、長期的により右派が強まると思っています。)
非常に注目に値する現象が、もうすぐおきます。
以上。