サマータイムと移民問題にみる、日本と世界の時間軸のズレ
欧州ではサマータイムが2021年から廃止へ
欧州議会がサマータイム廃止を賛成多数で可決
2021年からサマータイムが廃止されることが決定されました。
サマータイムはエネルギー効率などの向上をめざして導入されましたが、実際にはそこまで目立った効率向上は見いだせず
逆に睡眠不足によって健康に害が及ぶことが明らかになるなど、弊害が非常に大きいことがわかってきました。
⇒欧州議会、夏時間廃止「2021年に」可決 日経新聞
トランプ大統領もサマータイム廃止に本腰
こうしたなか、アメリカでもサマータイムの廃止を求める声が高まっています。
今年になって、トランプ大統領もそうしたサマータイム廃止賛成派に加わりました。
多くの人々が、サマータイムには健康上のリスクを高めるなどの不都合な事実が存在することに気づいています。
間違いなく、世界はサマータイム廃止の方向に向かっています。
日本は、東京オリンピックにあわせてサマータイムを導入しようとしていた
そんななか、日本は何をトチ狂ったのか、サマータイムを導入しようなどと言い出しました。
東京オリンピックを機に、「海外にあわせてサマータイムを導入しよう」ということでした。
東京のうだる暑さのなかでマラソンをやったら選手が棄権しまくって批判を浴びるかもしれない、ということで導入を検討したようですが、なんともお粗末です。
すでに、海外の流れはサマータイム廃止です。。。
サマータイムからみる、日本人の主体性のなさ
日本人は基本的に主体性がありません。
基本的に受け身体質の流されやすい国民性です。
海外で導入されたことは、そのまま真似ればいいと思っています。
西欧を眺めて、真似したらいいと思っています。
鹿鳴館の時代からなにも変わっていません。
時代が変化しても、メンタリティはかわりません。
古くは中国のやり方をそっくり真似する国民性でした。
今でも、都会のやり方を真似ようとする田舎者はたくさんいます。
それが日本人、主体性がない。
問題は、日本人は西欧の真似をしようとするのですが、日本人が真似をしようとしたときには、
すでに西欧はその制度の弊害に気づいて修正、もしくは逆に向かおうとしている場合があるってことです。
まさにそれは、サマータイム問題で明確です。
サマータイム問題と、移民問題にはある種の共通点がある
思うにこのサマータイムを巡る問題と似たものに、移民問題があると思います。
かつて欧州やアメリカでは、移民をたくさん受け入れることが成長の源泉だ、という論調がひろく普及していました。
たしかに潜在成長率の要素のひとつですから、数字的にみたら移民を大量に受け入れることは経済成長に繋がるでしょう。
ただ、その経済成長が、人々の実感する「豊かさ」と同一であるとは限らないこと・・・それに近年、人々は気づいてきました。
移民を大量に受け入れることで生み出される軋轢と、それを調整するために利用される膨大な行政コスト・・・
そうしたものを諸々含めて、果たして移民政策は好ましいのかどうなのか、欧米諸国は主体的に自分たちのアタマで考えて行動しようとしています。
しかし日本は、欧米で移民を大量に受け入れたのだから、日本も移民を受け入れたら経済成長できるのではないか?
として、移民を受け入れようとしています。
実際のところをいうと、自分も移民受け入れには賛成なのですが、現在のようなやり方を推し進めていけば、たぶん大きな軋轢を生むと思います。
いま必要なことは、自分の着る服は自分で選ぶということ。
お店の人にオススメされるままに高い洋服を買って着るのではなく、自分で、自分に似合う服を選ぶべきです。
政策も同様で、日本にあった政策を自分たちで主体的に選んだ方がいい。
海外の誰かがオススメしてくる政策をありがたがって導入していたら、かならずチグハグで恥ずかしいことになります。
サマータイムにしても移民問題にしても、そこらへんをしっかり考えて、主体的に行動していったらいいと思います。
以上。