【3105】日清紡ホールディングスの業績・決算と株価~リストラ必須な経営状態
今回は日清紡ホールディングスについてみていきます。
日清紡ホールディングスはブレーキ摩擦材の世界シェア最大手企業です。
しかし近年、自動車はEV/電動化が加速。
電動になると、ブレーキは摩擦材によるものよりも回生ブレーキが中心になるとみられ、同社にとっては非常に厄介な問題となっています。
とりあえず、そういったことも踏まえて日清紡ホールディングスの事業内容からみていきましょう。
日清紡ホールディングスの事業内容
日清紡ホールディングスは非常に幅広い事業を展開しています。
以下は会社側の決算時報告セグメントに基づく分類です。
- エレクトロニクス
- ブレーキ
- 精密機器
- 化学品
- 繊維
- 不動産
はっきりいって、各セグメント間に明確なつながりはありません。
同社は経営資産の集中が遅れており、旧態依然とした日本企業らしさを醸し出しています。
日清紡ホールディングスの業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119698576450277376
日清紡ホールディングスの2018年Q4業績は上記の通り、大幅に悪化しています。
なお、前年から決算期を変更しているため今期は9カ月決算となっています。
このため売り上げなどを見る際にはそのあたりを平準化する必要があります。
日清紡ホールディングスのセグメント別業績~エレキ&ブレーキ事業でリストラ必要か
前年
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119698727101321216
今年
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119698969766969344
日清紡ホールディングスの業績をセグメント別にみると上記のようになります。
まずエレクトロニクス事業ですが、マリンシステムが大幅な赤字に転落しており、これが足を引っ張っています。
精密機器/マイクロデバイスは新日本無線とリコー電子デバイスが連結対象となっており、こちらはプラスです。
また、同社の中心的事業であるブレーキ事業ですが、こちらは海外事業のTMDを中心に大きな赤字を計上しています。
国内事業は2%程度の営業利益率に陥っており、非常に薄利です。
日清紡ホールディングスのブレーキ事業は確かに世界シェアトップなのですが、利益率などの面では非常に劣った事業となっています。
将来的にはEVの普及で摩擦材は売れ行きがかなり落ちることが予想されます。
大型車を中心に完全には摩擦材の需要がなくなるわけではないでしょうが、それにしても規模は縮小していかざるを得なくなるはず。
先んじて本格的なリストラが必要でしょう。
化学品事業は燃料電池用セパレータ、カルポジライト、断熱材など総じて利益率の高いビジネスをしています。
ただ、いかんせん規模が小さい。
他の事業が足を引っ張っている状況です。
繊維事業はそこそこ安定的に稼いでいますが、問題は資産規模に見合った利益ではないところでしょう。
不動産事業はしっかり稼げています・・・というか全セグメントのうち最大の稼ぎ頭になっています。
不動産みたいなビジネスでいくら稼いでも、それは過去の経営者のおかげで食っているようなものです。
道楽息子が駅前に自社ビル建てて賃料で食っているようなものであり、つまり現在の経営陣に経営能力が足りないということです。
なさけないですね。
日清紡ホールディングスの株価
週足
日清紡ホールディングスの株価は上記の通りです。
この20年、いったい何をしてきたんだ?と言いたくなるような株価推移です。
はっきりいって、こんな会社にしてしまった今までの経営陣は無能だと思います。
同社の業績ははっきり言って事業セグメントがバラけすぎていて読みにくいです。
たぶん、経営している側も自分たちで事業が見えていないと思います。
あまりにも薄利の事業が多く、ファンダメンタルズからは妥当な株価が算出しにくいのが事実です。
含み資産があるため解散価値をベースにみることもできますが、この調子だと事業部門の赤字などで将来的に相殺される可能性すらあり、なんともいえません。
せっかく化成品部門は利益率の高いビジネスをやっているのに、投資は非常に少なく資産規模は小さい。中の人が何とも可哀そうです。
とりあえず、経営陣はもう少し本気で経営をやるべきではないかと思われます。
ちなみに今回は質問箱に質問をいただいたことから、書いてみました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1116056178415423489
いかがでしたでしょうか。
なお、上記はあくまでも個人的見解です。
特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資にあたっては自己責任でお願いいたします。
以上。