【6143】ソディック(Sodick)の決算、業績と株価
今回はソディックについてみていきます。
ソディックは1976年に横浜で創業された、比較的新しい工作機械メーカーです。
とくに放電加工機、精密射出成型機に強みを持っている企業で
近年では3Dプリンタや製麺機など食品加工機械分野にも参入している企業です。
まずはソディックの事業内容からみていきましょう。
ソディックの事業内容
ソディックの事業内容は工作機械の製造・販売・保守になります。
工作機械でも特にNC放電加工機や精密射出成型機に強みを持っている企業で、
昨年も片彫り放電加工機の新作が日刊工業新聞に表彰されるなど(※1)、技術力の高さには定評のある企業となっています。
※1・・・AP30L 従来の片彫り放電加工機よりも金型ひとつを作る際に消耗する電極が少なくて済むなどの利点があるとのこと。
ソディックは2014年、OPMラボラトリーを買収して金属3Dプリンター事業に参入
2016年からは製麺機など食品機械を製造するための工場も加賀事業所に設置
近年、設備投資を増やしており、新たな事業領域へ積極的に参入する意欲を示しています。
分類セグメントとしては
- 工作機械事業・・・放電加工機(片彫り、ワイヤ、細)
- 産業機械事業・・・射出成型機
- 食品機械事業・・・製麺機など
- その他事業・・・3Dプリンター
となっています。
ソディックの業績~2018年Q4
https://twitter.com/chu_sotu/status/1124402787343671296
ソディックの業績は上記のようになっています。
昨年は12月期決算に変更のため3ヵ月決算となっており、そのため単純な比較はできません。
ソディックの業績~事業セグメント別
https://twitter.com/chu_sotu/status/1124403030646878208
こちらは12か月決算で揃えた参考資料となります。
中国景気の悪化を受け、前年に比べて産業機械事業(射出成型機)が大きく落ち込んでいます。
射出成型機はコネクタやスマホカバーなどの製造に使われるため、スマホや電子機器デバイスなど、そういったものが落ち込むとあかんわけですね。
主力のNC放電加工機など工作機械は業績を伸ばしていますが、受注の解約などが一部あったもようで、伸びはやや期待外れとなっています。
食品機械の伸びはかなり高まっているほか、その他の事業も成長してきており、将来への種まきは成功しているようにみえます。
ソディックの業績~地域別
https://twitter.com/chu_sotu/status/1124402855895453696
中華圏への依存がやや大きいのが同社の特徴です。
放電加工機は受注残をこなしながら通期では増収増益を確保していますが、年後半から明らかに落ち込んでおり、懸念材料となっています。
ソディックの株価
週足
ソディックの株価は上記の理由から2018年を通じ大きく下落。
直近ではやや戻してきていますが、半値戻しまで行かずにやや弱い動きとなっています。
なお、2014年に暴騰したことがありますが、これは3Dプリンタを材料視したもの。
現実にはそこまでの業績寄与度はありませんし、期待先行というかたちになりました。
なお、同社は2016年にCB発行とともに自社株買いを行う、いわゆる「リキャップCB」を行うなど、資本政策に関してもいろいろと試験的なことを始めています。
経営者も若く、いろいろチャレンジしたいのでしょう。
とりあえず、直近の業績は主力の放電加工機が受注減少となっており、非常に厳しいものがあるように思われます。
ここがふんばりどころでしょう。
なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。
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