【5287】重要道路の無電柱化(電柱地中化)でイトーヨーギョーを買うのはおかしい気がする件
国土交通省が重要道路を無電柱化(電柱地中化)へ~イトーヨーギョーが一時ストップ高
国土交通省は、災害時の物資輸送などにおいて重要になる道路に関し、無電柱化(電柱地中化)の指針を出す方針を決めたとのことです。
これは災害時に電柱が倒れて被災地救助に支障が出たりしないようにするためのもの。
国土交通省が重要道路区間を指定し、その区間の電柱に関しては電力会社や通信会社に対し、10年以内に撤去させることを命じるとのことです。
もともと道路の所有権は国・地方自治体が持っているため、電力会社や通信会社に対しては利用許可を出して利用させてあげている、という形になっています。
この権利を10年後には更新しないよ、ということで、電柱の地中化を促したいようです。
こうした国土交通省の方針を受けて、無電柱化銘柄としてたびたび買われてきた銘柄、イトーヨーギョーが暴騰しました。
イトーヨーギョーは確かに無電柱化(電柱地中化)資材を扱っているが・・・
イトーヨーギョーはたしかに電柱地中化資材を扱っています。
D.D.BOX Neo
D.D.BOX Pleon
S.D.BOX
というのがそれです。
しかしです・・・これらはすべて、生活道路向けのものです。
幅員4mとか6mとかそういう道を対象にしたものです。
国土交通省が今回設定するような、重要道路の無電柱化で潤う企業なのか?
・・・というと、非常に疑問符のつく商品群です。
まったく無関係というわけではないけれど、本当に恩恵があるのかどうなのか、甚だ疑問です。
電柱地中化・無電柱化で潤う企業はイトーヨーギョーではない?
先に書いておきますと、電柱地中化でそこまで大きく潤う企業は目先はないのではないか、と感じます。
とりあえず、今回の国土交通省の発表では重要道路向けの工事が中心になるはずですので、一般的な電線共同溝(C・C・BOX)もしくはCCVP管などがメインになると思われます。
ただ問題は、このC・C・BOXは製造者がやたら多いこと。
そしてCCVP管はカネにならないこと・・・。
まずC・C・BOXですが、基本的にコンクリート製品の製造者はあまりにも多いんです。
最近はゼニス羽田(ベルテクス)みたいに統合していく動きも出てきていますが、それにしてもまだまだシェアが分散している状況です。
そして、基本的にこれらのコンクリート製品メーカーの需要の多くは雨水関連製品となっています。
これに電線地中化がいくらかプラスされることはあっても、果たして大規模に増加するかどうかは疑問です。
少なくとも今回の件だけでは、そこまで大きな需要追加にはならないのではないか、と個人的にはみています。
またCCVP管はそもそもカネにならない。
っていうか積水化学の売上に占める比率は物凄く小さいと思います。
個人的に、電線地中化はあくまでも期待先行と思います。
とくにイトーヨーギョーはやりすぎに思います。
あくまでも材料株のひとつとして触るならいいんでしょうけど、およそ投資のネタではないでしょう。
なお、個別に上昇する銘柄はあるかもしれませんが、それはあくまでも電線地中化ではなく、雨水関連、生産性向上などを囃したものになるんじゃないかと予想しています。
ベルテクスは地中化云々なしに、経営改善努力が面白いかなとは思っています。
以上です。