【1435】融資審査偽装でTATERUに行政処分~処分は軽微だが、問題は本業の稼げなさ~

【1435】融資審査偽装でTATERUに行政処分~処分は軽微だが、問題は本業の稼げなさ~

 

TATERUの融資審査偽装に宅建業法による行政処分

投資家向けアパート一括販売事業のTATERUに国土交通省関東地方整備局が行政処分を科しました。

処分理由は、TATERUが投資用アパートを個人投資家などに販売するさいに個人投資家が金融機関から借りやすいよう、融資審査書類を偽装していたというもの。

これが宅建業法第 65 条第2項第5号に該当する、ということになります。

 

 

TATERUへの行政処分は軽微

今回のTATERUへの処分ですが、非常に軽微なものとなっています。

処分内容は、期間が2019 年7月 12 日から 2019 年7月 18 日までの7日間

停止を命じられた業務は、宅地建物取引業にかかる全部の業務。

取引ではない、管理業務などは今後も続けることができるため、実際にはほとんど困らないものとなっています。

当初、管理業務も問題になっていましたが、

TATERU側が処分内容が過去の事例に比べて重すぎると抗議していたこと、

および管理まで対象にすると、これまで購入されたアパートのオーナーや入居者にも不都合になるとの判断から見送られたものと思われます。

 

 

 

TATERUへの行政処分は軽いが、問題は本業の不振

今回のTATERUへの行政処分は非常に軽いものとなっています。

しかし、問題は同社の本業が揺らいでいること。

TATERUは金融機関が相手をしてくれていないのか、それとも個人投資家が同社の物件を避けているからなのか、本業のTATERU Apartment事業が売上急減しています。

赤字に転落しています。

前年1Qに141億576万円売り上げたアパートメント事業は

今年1Qに44億1670万円しか売り上げていません。

 

セグメント利益は前年1Qの10億9199万円の黒字に対して

今年1Qは36億8693万円の黒字となっています。

 

損益計算書をみると手数料がやたら増えています。

つまり、同社はもはやアパート建売事業では稼げないとみて、この事業を損切り中ということだとおもわれます。

 

 

行政処分前からTATERUは民泊事業に移ろうとしているが・・・

TATERUの事業セグメントのうち、2019年1Qで黒字なのは民泊事業を行うスマートホテル事業だけです。

一応、この事業は年率2倍程度では成長しています。

ただ、事業規模からみるとアパート建売に比べて非常にショボい。

 

とりあえず、行政処分の中身が出てきて浮上しましたが、同社の苦境はまだまだ続きそう、と思われます。

以上。