日産自動車が大規模リストラへ~削減規模は1万人、対象となる国内工場はどこか?
日産自動車が世界で1万人超のリストラへ
2019年3月期決算で前年比44.6%の営業減益となった日産自動車ですが
長引く業績立て直しのために世界中でリストラを進める方針と各報道機関が報じています。
日産自動車はかれこれ4期連続で前年比減益となっており、立て直しが急務。
春先に5000人規模のリストラを発表していましたが、この数字をさらに積み増して1万人超とする方針とのことです。
日産自動車のリストラは北米中心?
報道によると、日産自動車のリストラは海外中心とのことです。
個人的な見立てでは、不振が続く北米事業を中心に切っていくのではないか、とみています。
北米では目下、SUVやピックアップトラックなど中~大型車が人気です。
そのようななか、日産自動車は日系他社に先駆けて大型車中心のラインナップを揃えており、本来ならば追い風になるはずでした。
しかし、開発力の低下とモデルチェンジの遅れに伴い、せっかくの大型車シフトが上手く機能していません。
インセンティブは積み上がり、質の悪い販売になっているようにみえます。
北米事業は日産のここもとの不振の原因のひとつにもなっており、大規模リストラにより利益改善を図る動きなのではないか、と思われます。
北米事業のリストラは国内にも波及か
2019年3月期の決算の販売台数データでみますと、日産自動車の総販売台数は対前年比4.4%マイナス
日本は2.1%プラス
中国は2.9%プラス
北米は9.3%マイナス
欧州は14.9%マイナス
その他は0.4%マイナス
となっています。
欧州事業と北米事業どちらも低迷していますが、とくに北米事業は全体の1/3を占めるほどのウェイトを持っていますし、欧州事業の3倍のウェイトでもあります。
北米事業の立て直しが急務であることは確かでしょう。
なお、日産自動車における北米事業のリストラ対象は、たぶんメキシコが中心になると思われますが、
北米には日本からも輸出をおこなっており、国内の一部では影響が不可避ではないかと思われます。
日産の大規模リストラ対象に栃木工場といわき工場も含まれる可能性
日産自動車による今回の大規模リストラですが、日本からアメリカへの輸出も影響を受けると思われます。
とくに、北米輸出車種が好調で2014年頃に増産体制を敷いた栃木工場が影響を受ける可能性が高いと、個人的にはみています。
またエンジン供給の栃木工場などもリストラ対象になる可能性があるとみています。
これらの周辺では地域経済にも影響が出てくる可能性があり、注視が必要でしょう。
日産自動車はリストラよりも世界で売れる車を作る方が先では・・・
しかし今回のリストラ報道ですが、個人的にはなんだか酷くモヤモヤしたものを感じています。
そもそもにおいて、北米で売れない理由は何なのか。
つまるところ、モデルチェンジが遅すぎることに尽きるように思います。
コスト削減優先で開発に予算をつけてこなかったから、北米事業でこんなに苦戦しているのではないでしょうか。
たしかに、目先のコスト調整のために生産体制の再構築は必要ですが、本来すべきは売れる車を作ることなはず。
単なる撤退戦になってしまっては、じり貧だと思います。
日産自動車のリストラ案は明日発表?
なお、日産自動車のリストラ案ですが、明日発表されるらしいです。
なんで明日発表されるリストラ案が今日、報道機関にリークしているのかわかりませんが。
ちなみに、日経新聞は朝刊記事に間に合わなかったようです。
報道の中心になっているのは読売など大手他紙。
リーク元がいつものルートとは異なるようで、ちょっと興味深いですね。
とりあえず、以上です。