ブラジル・アマゾンの森林火災を非難する欧米はかなりオカシイと思う件~欧州も元々は森林率9割だった~
ブラジル・アマゾン川流域で人為的森林火災が拡大
南米アマゾンの熱帯雨林で大規模な火災が広がっています。
この背景には、人為的な火付けの影響があります。
火をつけて、森を焼き払って、畑にしようとする地主が多く、南米の各国政府としてもそういった活動を黙認しているのが現状です。
これを国際社会が非難しています。
その先鋒を買って出たのがフランスのマクロン大統領です。
目立ちたがり屋の彼は、ブラジルのボルソナロ大統領を公然と非難しました。
ボルソナロ大統領はこれに激怒。
G7各国はアマゾンの森林火災を抑えるために2000万ドルの緊急支援を行うと発表しましたが、ボルソナロ大統領は
「マクロンが謝らないなら受け取らない。ブラジルを植民地か、誰も住まない未開の土地であるかのように扱おうとするマクロンの意図が背後にある」
といったようなことを言って、支援を受け取らない姿勢を示しました。
多くの人はこうしたボルソナロ大統領の言動を非難しています。
しかし個人的にはこれ、正論だと思います。
アマゾン森林火災を非難する欧米も、もともとは森林だらけだった
ここで考えるべきは森林率です。
各国森林率はOECDやFAOの統計でみることができますが、Wikipedia英語版からざっと紹介すると
日本67%
韓国63%
北朝鮮73%
フィンランド72%
スウェーデン69%
ノルウェー37%
イギリス12%
アイルランド11%
フランス37%
ドイツ32%
サンマリノ1%
モナコ0%
バチカン0%
アメリカ34%
カナダ49%
ブラジル56%
アルゼンチン34%
ウルグアイ4%
何が言いたいかおわかりでしょうか。
ブラジルは欧州に比べてまだまだ森林率が高いのです。
欧州も、カエサルの時代には森だらけでした。
当時の様子はガリア戦記などに書かれていますが、森だらけで、森をねぐらにしているケルト系の民族などを相手に苦戦します。
イギリスだって当時はまだまだ森だらけでした。
9割方が森だったとされています。
それをどんどん開墾して、農地や放牧地にかえていって、今の森林率まで下がっています。
アメリカだってそうです。
昔は森だらけだったところを切り開いて、大規模な農地、放牧地にしていきました。
アマゾンの森林破壊なんて目じゃないくらいの森林破壊を行ってきたのが欧米です。
それは、彼らが植民地として大規模に開拓したアルゼンチン、ウルグアイを見れば明らかでしょう。
19世紀から20世紀初頭にかけて、イギリス人など欧米の人々は大規模にアルゼンチンに植民して、投資して、稼いでいました。
そういったようすはアガサ・クリスティの書いたポワロなどにも描かれていますが、その結果が、ブラジルとアルゼンチン、ウルグアイとの森林率の格差です。
欧米の人間たちは自分達が投資した先で大規模に森林を破壊したんです。
ブラジルの森林率は56%ですが、アルゼンチンは34%、ウルグアイに至っては4%です。
これが、欧米の人達がやったことです。
ちなみにかつては森だらけだったイギリスも、今じゃ森林率12%
ようするに、彼らは先んじて森林破壊を行ってきたわけです。
欧米はアマゾンの森林火災を批判する前に森林率を回復させたらいい
アマゾンの森林火災を欧米の人々は批判しています。
やれ自然が破壊されているだの、地球の肺の機能が失われるだの・・・
あほらしい。
そんなに森林が好きなら、自国の森林率を回復させたらいいんです。
日本は森林率6割超です。
欧米もこの水準くらいまで回復させたらいいんです。
出来ないわけがありません。
昔は欧州なんて9割方が森林だったんですから。
他国の森林率の低下をあれこれいうのは、
「お前の国は未開のままでいろ」
「お前の住んでいるところは地球の肺の機能として森を残せ。俺はそこで作った綺麗な空気を吸って生活したいんだ」
と言っているようなもんです。
全く酷い差別意識が背後に隠されているわけです。
そりゃボルソナロ大統領でなくてもムカついて当然です。
何度も書くようですが、まずは欧州が自国の森林率を回復させるべきです。
アマゾンの森林破壊に文句をいうなら、それからにすべきでしょう。
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