エルドアン大統領再選なるか?トルコ大統領選&議会選のゆくえは?与党大敗北ならIMF受け入れでトルコリラ高か?
いよいよ本日、トルコの2018年総選挙の結果が判明します。(日本時間では25日深夜に結果判明の予定)
エルドアン統治に審判、与党過半数割れも トルコ大統領選・総選挙24日投 …
今回のトルコ総選挙は大統領選と議会選を同時に行うダブル選挙です。ここもとの経済的失政によりエルドアン大統領の再選は危うくなっています。
トルコ大統領選は決選投票の公算、与党は過半数割れへ=世論調査
議会では与党・公正発展党(AKP:Adalet ve Kalıkma Partisi)の敗北を予想する声も出てきており、選挙後の連立の可能性について言及する声も出てきています。
トルコ議会選挙で与党過半数割れなら連立政権樹立の公算=大統領
いろいろな事前予想が出てきていますが、実際にどのように転ぶかは開いてみなければわかりません。とかくメディアの予想はバイアスがかかっていて外れがちです。
俺は政治のプロじゃありませんし、なによりトルコの政治なんてわかりません。選挙結果がどうなるかを予想することはできません。というより、できる人がいるようにも思えません。現地メディアなどを読む限り、トルコの人ですらわかってないようです。(twitterは都市部住民が多いのでエルドアン敗北を予想する人が多いですが。)
とりあえず、トルコ政局はよくわかりません。
ただ、ひとつ言えることは
大統領選挙(の決選投票)の結果如何にかかわらず、金融市場はかなりボラタイルな展開になるだろうということ。
米ドル/トルコリラ 月足 (上方がトルコリラ安方向です)
米ドル/トルコリラ 日足
俺はFXは専門じゃないのでイイカゲンですが、チャート的には非常に足場のぐらついた状態にみえます。
ここもとのドル/トルコリラの動きをみるに、市場はエルドアン大統領の敗北とIMFからの再支援を織り込みに行っているのだと思います。
IMF支援を再度受け入れることになれば、購買力平価からみて割安な状態にあるトルコリラは上昇する可能性が高い・・・とみている人が増えているようにみえます。
たしかに、購買力平価からみればトルコリラは安いです。
上記記事で使われているグラフをみますと、相対的購買力平価でみたトルコリラの妥当な水準は3近辺です。現状が4.6くらいですから、35%ほど割安な水準にあります。
最近、輸入食品系の店ではトルコ産のオリーブオイルなどが多く出回り始めています。それだけトルコ産の製品の輸出競争力が強まっているということだと思います。
また、上記記事でも書かれていますが
実質実効レートからみても、トルコリラは安いです。
そして
金利は十分に高いです。
エルドアン大統領は15年前、前政権の経済失政への国民の不満を背景に選挙に勝利しました。エルドアン大統領の功績のひとつが「IMFからの借金を完済したこと」ですから、また新たに自分の代でIMFから借金を受け入れるなんて受け入れられないでしょう。もしエルドアン大統領が負けて、与党が惨敗するようであれば、IMFからの支援受け入れに障害はひとつ消えることになる・・・
そういった予想をたてている人が多いのではないでしょうか。
個人的には、そういった政治的な見通しは置いておいて、どのみちこの割安さはいずれ是正されるように思います。インフレ率と金利の関係、実質実効レート、購買力平価からみれば、「ここから下は買い下がりだ」という理屈は理解できますから。
ただその前に、まだ何度か大きなセンチメントの揺れは起きるはずです。
先ほども書きましたが、為替の動きをみるにエルドアン敗北を先走って織り込んでいる人たちが多くいるようにみえます。
この環境で、もしもエルドアンが予想に反して圧勝したらどうなるでしょうか?トルコリラ、債券は売られるのではないでしょうか?
できることなら、そのタイミングを待った方が良いと思います。ここもと、ちょっと強気に傾いていすぎるようにみえます。
もし今回の選挙で与党が勝利してトルコリラが大きく売られるタイミングがあったなら、そこはいい買い場になるんじゃないか?(年限5~7年程度)
と、個人的には思います。
なお上記はあくまでも俺の個人的な予想であって、投資をお勧めするものではありません。また、俺が実際にトルコリラ建て債券に投資するかどうかも確約できません。そこらへんは、様子を見ながらということになります。