中国国有自動車メーカー、中国第一汽車集団が一兆元(16兆円)を超える融資枠を獲得~電気自動車EVへの投資を加速か?
中国国有自動車メーカーのひとつで、中国北東部を地盤とする中国第一汽車集団が、16行の銀行団に1兆人民元を超える融資枠を設定してもらったそうです。
今回の中国第一汽車集団による融資枠獲得は、中国が来年2019年からNEV規制※を導入するのにあわせ、本格的にEV強国化するための布石かもしれません。
Chinese state-owned automaker FAW Group gets $144 bln credit line ロイター
※NEV規制・・・カリフォルニア州のZEV規制を真似た政策で、自動車メーカーはガソリン車9台を販売するごとにNEV(電気自動車や燃料電池車)一台を販売しなければならないという規制。違反すれば高額の罰金を払わねばならない。
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なお、16の銀行団には、国家開発銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行が含まれているとのことです。
とりあえず、今回の常軌を逸した融資枠の大きさからして、中国政府の本気度がわかります。
中国共産党政府は、冷え込む北東部景気を回復させるために同地への投資を増やそうとしていますが、その一環でもあると思われます。
今回の発表を受けて、中国第一汽車集団傘下の上場企業、第一汽車(000800.SZ)、天津一汽夏利汽車(000927.SZ)などの株価がストップ高となりました。
中国第一汽車集団はトヨタやVWとの提携もしており、現地で輸入車の組み立て生産も行っています。
この融資枠がどのように利用されるのか。
M&Aなのか設備投資なのか。
そこらへんも含めて、今後の動向を注視していく必要があろうかと思われます。
短いですが、以上です。