中国の新車販売台数が急減~新エネルギー車規制(NEV規制)は来年施行だが・・・
2018年9月の中国新車販売が前年比11.6%減と急減速しています。
中国新車販売 11%減 9月、通年で前年割れの恐れ 日経新聞
他の情報源とあわせて要約すると
- 中国の9月新車販売は前年同月比11.6%減の239万4100台
- 中国の新車販売が前年を割り込むのは3カ月連続
- 単月の新車販売台数が2桁減となったのは、旧正月休暇の時期ズレの影響を除くと2009年以来はじめて
- 1~9月の累計新車販売は前年同期比1.5%増
- フォルクスワーゲンは10.5%減
- フォードは42.8%減
- GMは7-9月で14.9%減
- トヨタは12.5%増
- 日産は7.4%増
- ホンダは6.9%減
- マツダは1.3%減
- NEV(新エネルギー車)販売台数は9カ月累計で721500台、前年同月比81.05%増
- プラグインハイブリッド車は100%以上の大幅な増加
となっています。
この9月は自動車の輸入関税率が下げられており、トヨタは日本から輸出しているレクサスの販売が好調だったもよう。
しかし、全体マーケットとしては非常に不振となっています。
とくにアメリカブランドのGMとフォードは大きく台数を減らしており、米中貿易戦争の影響が出ている可能性があります。
新エネルギー車NEVは非常に好調な販売状況ながら、この統計は鉱工業生産などで見えてくる数字とちょっと異なります。
このあたり、どうして統計の差異が出ているのか詳しくないのでよくわかりません。
なお中国では、2017年末で小型車向け減税策が切れました。このことで昨年後半には売り切りのための値下げ販売が行われていましたから、今後3カ月はより一層の減速感が出てくると思われます。
中国の2017年通年の乗用車販売台数は2471.83万台、商用車をあわせると2887.89万台です。
2017年の世界販売台数は8200万台くらいでしたから、中国市場は30%ちょっとの台数を売った市場ということになります。
この中国がもし、年率11.6%減のペースで減少した場合、乗用車販売だけでも286.73万台です。
日本の2017年の普通乗用車の新車販売台数は339万824台です。
もし仮に中国が米中貿易戦争の影響で販売台数を若干なりとも減らすことになれば、日本の新車販売台数市場と同規模の販売台数が消えるのと同じ状況になります。
また、中国では2019年よりNEV規制(新エネルギー車規制)が始まります。
これは、中国で販売される乗用車のうち1割を電気自動車などの新エネルギー車(NEV)にする規制です。
カリフォルニア州のZEV規制を真似たこのNEV規制ですが、これにより電気自動車の販売が増えることは予想されますが、同時にガソリン車の値段が上がることが予想されます。(ガソリン車を売りすぎると罰金が重たくなるため。)
このことから、来年前半の中国自動車販売はかなり急減するのではないか?
と自分はみています。
年後半からは、さすがにこのNEV規制の問題点がみえてきて、激変緩和措置などが何か入るか、もしくは還付税制などが行われるのではないか、とみています。
とにかく、来年の中国の自動車販売市場はNEV規制のため、かなりの荒れ模様となることが予想されます。
個人的には、NEV規制前に駆け込みで新車販売増加があり、その後にNEV規制導入で急減するとみています。
どういうふうになるかはわかりませんが、とにかく、自動車セクターにはかなりの警戒感を持った方が良いと思います。
以上です。