トルコがイランからの天然ガス輸入継続、対クルドでは超強硬論~サウジ問題を利用して米国を揺さぶる展開へ
トルコのエルドアン大統領が、イラン産天然ガスの輸入継続を表明。今冬100億立方メートルの天然ガスを輸入するとし、米国が主導する対イラン核制裁には参加しないことを表明しました。
Turkey says it will not abide by renewed sanctions on Iran ロイター
この件でエルドアン大統領は米国による対イラン制裁を「帝国主義者の世界で暮らしたくない」と批判。
アメリカとの関係改善なんてする気がないことをアピールしています。
トルコは先日、クルド問題でも強硬路線をとることを表明、実際に砲撃などを開始している模様
Turkey’s attack on Kurds forces US coalition to suspend Islamic State …
Turkey to send 1200 Syrian opposition fighters towards Kurdish …
以前も書きましたが、イラクのクルド人勢力、クルド自治政府KRGに対しては、イスラエルとアメリカ、イギリスの富豪からの資金が流れているとされています。(ロスチャイルド系Genel Energyなど)
その件についてはこちらで書きましたが
アンドルー・ブランソン牧師が解放へ~正体はやっぱりCIA?トルコリラはどうなる?
その一部の資金は、トルコやシリア領内で活動するPKK(クルド労働者党)などの組織にもわたっているとされており、トルコ政府はこうしたKRGを経由した資金支援をやめるよう、以前から米国政府に対して強く抗議してきました。
こうした背景がある状態で、ジャマル・カショギ氏殺害事件が発生。
トルコはジャマル・カショギ氏殺害に絡み、何かまだ公表していない証拠を握っている可能性があります。
※ジャマル・カショギ氏問題についてはこちら→サウジ出身の反体制記者ジャマル・カショギ氏がサウジ領事館内で殺害された可能性
トルコ政府は、まだ手札を持っている。
それを利用してアメリカ政府を揺さぶりにかかっているようにみえます。
アメリカのトランプ政権はサウジのムハンマド皇太子をできれば存続させたい・・・これ以上醜聞をばら撒くようなことをされたくないため、トルコに口封じをしている可能性があります。
その取引材料にまず使われたのがクルド問題だと思われます。
ここもとのトルコ軍によるクルド組織への砲撃などに関し、アメリカ政府は目立った反応を示していません。これは通常時であればありえない。
なんらかの合意があったようにみえます。
そして今回さらにイラン問題が入ってきた。
トルコはイランと公然と取引を継続すると主張しています。
トルコはアメリカよりも優位なポジションにあることを示そうとしています。
アメリカがいつまでこのトルコの強気外交に付き合うか、そこが見ものです。