BPの南アフリカ子会社BPSAがSAPREF製油所を改修~船舶用低硫黄ディーゼル油の生産を拡大し、マルポール条約附属書VI、SOX規制に対応~
BPSAがマルポール条約附属書VI(海洋大気汚染防止、SOX規制)に対応するため、低硫黄ディーゼルの供給能力を拡大へ
英エネルギー大手BP(The British Petroleum)の子会社BPSA(BP Southern Africa)が10億ドルを南アフリカに投資すると発表。
このなかでBPSAは約1/4をSAPREF製油所の改良工事費用に充て、低硫黄ディーゼル油の生産を拡大するとのこと。
SAPREF製油所はBPとロイヤル・ダッチ・シェルが共同出資している南アフリカ最大の製油所
BP to invest $1bn in SA, including refinery upgrade
マルポール条約附属書VI(SOX規制)による低硫黄ディーゼルへの需要拡大を見越した投資
海洋汚染防止のための国際的な条約およびその議定書であるマルポール条約ですが、1997年に追加された附属書VIでは船舶の大気汚染防止のための規則が追加されています。
この方針に基づき、既にカリブ海や地中海、バルト海などでは大気汚染の基準が厳しくなってきていたのですが、世界的には猶予期間が設けられてきました。
しかし、2020年にはこの海洋大気汚染防止基準が一段と厳しくなることが決まっており、世界的に改質装置や低硫黄ディーゼルやへの需要が高まる状況となっています。
SAPREF製油所は低硫黄ディーゼル油を供給~SOX規制に対応力増強へ~
BPとロイヤルダッチシェルの共同出資会社であるSAPREF製油所は現在18万バレルの精製能力があるとのこと。
これを拡大させ、SOX規制に対応する形でD50やD10といったクリーンなディーゼルを多く供給していくことが今回の投資の目的だということです。
この改修のため2019年5-6月は稼働を停止するとのことです。
SOX規制で2020年に低硫黄ディーゼル油の需要が急拡大する可能性~今から対応しないと大変なことに?
海外では2020年からのSOX規制を睨み、しっかりとした対応をとっているところが増えているようにみえます。
しかし、日本の製油所は低硫黄ディーゼル油の生産拡大を目指すという発表がほとんどありません。
海外企業は一歩先、二歩先を読んで設備投資を果断におこなっています。
日本企業も、そろそろ警戒感を持って行動した方がいいのではないか、と感じます。
もしSOX規制で船が止まったら・・・
たぶんそのとき騒いでも遅いのでは・・・とおもいます。
以上です。