クアルコム(Qualcomm)とアップル(Apple)のiPhone特許訴訟問題~電源とパーム・プレ(Parm Pre)関連インタフェースが問題点?~
質問箱に以下のような質問がありました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1074116312379490304
クアルコム(Qualcomm)とアップル(Apple)のiPhone特許訴訟問題、どちらが勝つと思うか?
という質問です。
いつも質問箱のご利用ありがとうございます。
自分は知財関連のプロではありませんが、素人目線での回答ということでお答えします。
とりあえず、自分の知識を整理しますと、クアルコムとアップルの特許訴訟の問題は主に二つの分野で争われていたと思います。
クアルコムとアップルのiPhone特許訴訟問題その1~パーム・プレ(Parm Pre)のインターフェース関連技術~
まず最初にクアルコムがアップルのiPhoneを特許問題で訴えた内容として、クアルコムが以前入手していたParm社のParm Pre(パームプレ)のインターフェース関連特許があったと思います。
Techcrunch.comにその関連記事があります。
このインターフェースは、たとえばカメラのオートフォーカスを画面をタッチして行うだとか、タスクをカード上に表示してスワイプで切り替えるなどのものだといわれています。
これらは確かに、そういったインターフェース機能を削除するようソフトウェアで対応すれば特許を回避できるでしょうが、しかし、この機能を外してiPhoneを販売することが果たしてありうるのか?という疑問はあります。
特許をさけるためとはいえ、ユーザーの使い勝手は著しく落ちるように思います。
クアルコムとアップルのiPhone特許訴訟問題その2~電源管理関連訴訟
もう一つは電源管理に関してのものです。
詳しいことはまったくわかりませんが、クアルコムはモデムにおける電源管理を効率的に行う特許を取得している模様。
こちらはソフトウェアを弄ってどうにかなる問題じゃないと思います。
実際、米国際貿易委員会ITCは特許侵害についてはクアルコム側の主張を認めています。
しかし同時にITCは、アップルの製品が米国に輸入できなくなれば広範囲な影響が及ぶとして9月28日に輸入の差し止め請求は却下しており、実質的にはアップルの勝利となっています。
ちなみに、クアルコムは輸入差し止めさせることには失敗しましたが、当然のことながら損賠請求権は利用するでしょうし、さらにアップルがこの技術をインテルに勝手に供与したとして訴えています。
つまり、アップル社による特許侵害はあった、けれどiPhoneの輸入差し止めをすると影響が大きすぎる、だからアップルによるiPhone輸入は継続できる、けれどクアルコムへの損賠はありうる。というかあるでしょう。たぶん。
クアルコムとアップルのiPhone特許訴訟問題その3
これに対してアップルは
そもそもクアルコムの特許が独占的過ぎてズルい
独禁法違反だから不公正だしカネ払う必要ない
と反訴しているようです。
ここら辺の論理がよくわかりませんが、個人的にはクアルコムへの特許料を少しでも減らすために相殺するための訴訟を起こしているだけにみえます。
ただ、ここらへんは法律家の意見をお尋ねください。自分は素人ですから。
クアルコムとアップルのiPhone特許訴訟問題その4~そもそも輸入継続はアメリカの国内問題、他の国では別の訴訟継続
とりあえず、アメリカ国内への輸入に関しては認められたアップルですが、クアルコムからは中国などでも訴えられており、中国の知財法院はクアルコム側の主張を認める形でiPhone旧型機の輸入を禁止しました。
これに関してネット上では
「Huawei問題へのアテツケだろう」
みたいな意見が多いようですが、個人的にはクアルコムの言い分の方が正しいと感じていますし、アップルの製品が差し止められるのは、ある意味で知財を大切にみるなら当然という気がします。
もちろん、政治的意図はあるのかもしれませんが、アップルにとってはいいお灸になったのではないか、と思います。
とりあえず、今後同じような訴訟がずっと続くことになります。
どちらが勝つかはわかりませんが、言い分的にはクアルコムの方が正しいように思います。
以上、素人考えですが参考になれば幸いです。