【5331】ノリタケカンパニーリミテド
今回はMLCC(セラミックコンデンサ)向け電子ペーストやリチウムイオン電池向け乾燥機、焼成機各種混合器、撹拌機、食器などを製造しているノリタケカンパニーリミテドの業績と株価を見ていきます。
まずはノリタケカンパニーリミテドの会社説明から始めます。
ノリタケカンパニーリミテドとは?
ノリタケカンパニーリミテドは祖業である食器事業からはじまり、セラミック分野の電子材料、およびそれを作るための工業機械の製造などを行っている愛知県地盤の森村グループの企業です。
ノリタケカンパニーリミテドの主要事業
ノリタケカンパニーリミテドの事業はもともとは食器が中心でした。
しかし近年、食器の需要が先細るにつれ、別の事業分野を伸ばす必要性に迫られ、
食器製造に用いるセラミック技術や製造設備を応用することで、電子材料技術、焼成機、混合器などの事業など多方面に事業を展開しています。
工業機材事業・・・研削砥石、ダイヤモンド工具、土木向け工具(アスファルトカッターなど)など
セラミックマテリアル事業・・・MLCCやインダクタ向け電子ペースト、蛍光表示管、中圧射出成形セラミック中子、石膏など
エンジニアリング事業・・・乾燥炉・焼成炉(陶磁器の製造技術を応用)、混合器・撹拌機など(釉薬などの混合攪拌技術を応用)
ノリタケカンパニーリミテドの決算の傾向
ノリタケカンパニーリミテドの決算の傾向としては、営業利益よりも経常利益がほぼ常に上回ることが特徴になっています。
これは連結対象になっていない投資先が多いためで、そこからの収益が経常利益段階で乗ってくるからの模様です。
ノリタケカンパニーリミテドの食器事業
ノリタケカンパニーリミテドは今でこそ電子材料事業が中心になりましたが、その祖業は食器事業でした。
しかし、近年は食器需要が先細っており、万年赤字を垂れ流す事業となっています。
非常に厳しい環境が続いていますが、同社の食器は、実は自分はだいすきです。
生まれたばかりの頃、離乳食を食べさせてもらっていた食器がノリタケのものでした。
非常に丈夫な強化磁器で、ちょっとやそっとのことでは割れません。
同社のヒット商品であるらしく、今でもまったく同じものが売っています。
ノリタケ 子供食器(強化磁器) お子様セット ライトステップ シリーズ
というわけで、息子にも同じ食器を買ってあげました。
ひさしぶりに手にしてみましたが、本当にかわいい・・・みているだけで幸せになってくる、嫌みのない絵柄とフォルムです。
ノリタケカンパニーリミテドと大倉陶園とカップ&ソーサ―
また、完全子会社からは外れましたが、ノリタケカンパニーリミテドの高級食器分野は大倉陶園という会社が展開しています。
自分は大倉陶園のカップ&ソーサ―が大好きです。
上手く表現することが難しいのですが、口にあたる部分が非常に薄くつくられており、ティーカップから口の中に入ってくる液体にストレスがかからないのです。
また、指でつまんだ時に重さを感じない、指に集中しなくて済むので、香りを集中して楽しめるのです。
自分はコーヒーでも紅茶でも、大倉陶園のカップで出してくれる店が好きです。
我が家が使っているのはこちらです。
カップが違うだけで、紅茶の香りがまったく別のたちかたをします。
茶やコーヒーがお好きであれば、一度試してみてください。
茶葉や豆、焙煎だけが重要なのではない、カップもまた重要なことに気づかれるはずです。
ノリタケカンパニーリミテドの業績
ここからはノリタケカンパニーリミテドの業績を決算資料などをもとにみていきます。
(ここから下は2018年12月26日に書きました)
ノリタケカンパニーリミテドの2018年Q2決算の業績
ノリタケカンパニーリミテドの2018年Q2決算は売上8.9%増、営業利益71%増と好調でした。
セグメント別にみると以下のようになります。
ノリタケカンパニーリミテドの2018年Q2セグメント別業績
食器事業以外の主力3事業が揃って増益となっています。
とくにMLCC向け電子ペーストが好調なセラミックマテリアル事業が強く伸びています。
ノリタケカンパニーリミテドのセグメント別業績推移
ここ数年のノリタケカンパニーリミテドの業績推移です。
セラミック事業は一貫して成長しています。
食器事業は悲しいかな、ずっと赤字です。
設備投資の波を受けるエンジニアリング部門は赤字から回復して大きく伸びてきましたが、さすがにそろそろ息切れでしょうか。
来季に向けては、エンジニアリング部門の減少をセラミックマテリアルの伸びでどれだけカバーできるかが重要になってくると思われます。
ノリタケカンパニーリミテドの株価2018年12月26日
ノリタケカンパニーリミテドの株価はここ三カ月で大きく下落、4割超下落しています。
この背景には世界的な景気後退観測と株式市場の混乱があります。
こういった傾向が続く場合、株価はさらに深掘りすることも想定した投資スタンスが必要でしょう。
しかし、ざっくりと計算して、ノリタケカンパニーリミテドの特別利益前EPSは450円くらいはつくはず。
これをもとにすると現在の株価は10倍割れの水準であり、この株価は世界的な景気後退を織り込んだ株価にもみえます。
将来的に業績が悪化するリスクはありますが、大体の企業においては業績は数年たてば戻るものであることを考えると、いい買い場に落ちてきているのではないか、という気がします。
あとはどの程度の時間軸で投資をできるか、という点につきるでしょう。
短評は以上です。
なお、上記はあくまでも個人的な見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資においては自己責任で行っていただきますようおねがいいたします。