ブリヂストンがトムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を買収へ~運送業のドライバー管理、運行情報管理をクラウド処理

ブリヂストンがトムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を買収へ

 

ブリヂストンが地図情報企業TomTomのテレマティクス部門トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を買収へ

タイヤ大手のブリヂストンが、オランダの地図情報ソフト企業TomTomのデジタルフリートソリューション事業トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を1138億円で買収するとのことです。

 

 

トムトム(TomTom)とは?

トムトムは地図クラウド大手三社のひとつです。

他二社はドイツの自動車メーカーが中心となって利用しているヒアHereと、多方面との提携をすすめるGoogleです。

自動運転の時代になると、地図情報を常に更新し続ける必要があります。

たとえばある道路が路面工事中になれば、その情報で更新しなければ大変な事故になりかねません。

たとえば、風景の一部となっているビルなどが壊されれば、その情報で更新しなければライダーLidarが誤作動を起こすかもしれない。

たとえば立木が倒れて道をふさいだ情報があれば、その情報で書き換えねばならない。

そういうわけで、自動運転の自動車は、走りながらクラウドサーバーと常に送受信して、クラウドサーバーのマップデータを更新し、さらにクラウドサーバーから他の地図データを受信し・・・という作業を繰り返すことになります。

こういったクラウドシステムの運用の大手が三社あるのですが、TomTomはそのうちの一社です。

 

 

トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)とは?

トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)は、そのTomTomの傘下で、おもに貨物輸送トラック、フリートの運行管理、人員管理などのクラウドサービスを提供する企業です。

現在、トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)のシステムは欧州を中心に86万台が利用しているとされ、この事業をブリヂストンは1000億ドル超で買収することになるとのことです。

 

 

なぜブリヂストンはトムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を買収するのか?

なぜブリヂストンはトムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を買収するのでしょうか?

具体的な方針ははっきりと表明されていませんが、現在ブリヂストンは、高い値段で売れる特殊車両向けのタイヤや、トラックなど向けの大型タイヤを多く売っていきたいという方針があるようです。

トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)は運行管理クラウドですから、どの程度の頻度でタイヤを交換したらいいのかを提案することも可能ですし、内輪、外輪の消耗差、どちら周りで周回したら損耗が少ないかなどを提案することもできるはずです。(UPSのクラウドサービスはできるそうです)

というわけで、ブリヂストンは既存のタイヤビジネスを補完するために、データ収集目的と顧客への提案営業を目的として、トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)を買収したのではないか、というのが個人的な見立てです。

(あくまでも個人的な見立てです)

 

 

トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)の売却はトムトムにとっても渡りに船だった?

じつはトムトムですが、現在いろいろと負け戦の最中だったりします。

先日はこれまでずっと提携していたルノー日産がGoogle陣営へ移ってしまうという報道がされました。

地図大手TomTom株暴落~ルノー日産がGoogleと提携との報道で~ゼンリンと提携

現在、クラウド地図大手三社のうちでは断トツびりっけつなのがTomTomです。

この状況を打破するため、先日TomTom本体はデンソーと提携しました。

そして今回、子会社トムトムテレマティクス(TomTom Telematics)をブリヂストンに売却・・・

 

これは、トムトム本体が日本企業に買収される日が来ても不思議ではないかな、という気がします。

トヨタあたりがいつかトムトムに出資するんじゃないか?と個人的にはみています。

以上です。