【AAPL】AppleはiPhoneの販売価格帯を引き下げて拡販へ~電子部品メーカーにポジティブ
アップルが2019年Q1決算を発表
1月29日、アップルが2019年Q1決算を発表。
事前のガイダンスどおり、iPhoneの販売額などの数字自体は非常によろしくありませんでした。
が、この中で非常に興味深いことを同社は示しました。
「iPhone価格が高くなり過ぎた」と認めたApple
簡単に言ってしまうと、「為替のせいでiPhoneが他の国では高くなりすぎた」と認めた事。
実際のところをいうと、為替のせいだけで高くなりすぎたわけではないと思うのですが、とりあえず、高すぎるということを認めたのは重要でしょう。
「サービス事業の利益率は63%」と発表したApple
もう一つは、iCloudなどのサービス事業の利益率は63%であり、しかも前年比2割弱で成長しているということ。
ここまで高い利益率を誇っているというのは多くのアナリストにとっても意外感があったように思います。
Apple全体の営業利益が23346です。
サービス事業の売上が10875です。
つまり、サービス事業の営業利益は6851.25です。
よって、
Appleの営業利益のうち30%程度がiCloudなどのサービス事業からのもの
ということになります。
そしてこの事業の成長率は高い。
今後もここに注力して利益を伸ばしていこう、というのが今回のAppleのQ1決算のキモでしょう。
Appleはサービス加入者数を増やす方針
Appleの2019年Q1決算によると、稼働中のアクティブデバイス数は現在14億台、うち9億台がiPhoneということ。
アクティブデバイスの増加数は年間1億台増ペースとのこと。
アクティブデバイスのうち、有料サービス加入者数は3億6000万人とのこと。
これをAppleは2020年までに5億人に増やす方針ということです。
有料サービスは、自社サービスなら100%、サードパーティのものであれば30%のマージンをAppleが徴収します。
非常に美味しいです。
現在のアクティブデバイスの純増数と、有料サービス利用率の推移からみれば、この達成は結構難しいチャレンジのように思います。
20年までに5億人の有料サービス加入数を達成するには、iPhoneの販売価格を下げて拡販をし、アクティブデバイス数を稼がなければならないはず。
つまりこれと、最初に書いた
「iPhoneの価格は高くなり過ぎた」
という発言とはリンクしているわけです。
つまりAppleは、iPhoneを大幅に値下げしてばら撒くつもり
ということだと思います。
直接的言及はしていませんが、たぶんそういうこと。
Appleは、iPhoneの売り切りビジネスではなく、サービスで安定的に稼ぐ企業を目指すということです。
高級機路線をすて、拡販してサービスで利益を回収しようという魂胆です。
こういったAppleの方針で潤うのは、iPhoneを作るときに使われる電子部品のメーカーです。
今日も村田製作所や太陽誘電などに買いが集まっていましたが、こういった銘柄はここもと非常に強く推移しています。
先取りする動きが入っていたように思われます。
以上。