【航空】ボーイングが超音速機開発の『アエリオン(Aerion)』に出資・提携へ
ボーイングが超音速ビジネスジェット機開発の『アエリオン(Aerion)』に多額の出資へ
航空大手のボーイングは、超音速ビジネスジェット機AS2の開発で知られる『アエリオン(Aerion)』に多額の出資をすると発表しました。
なお、具体的な出資額は非公開となっています。
超音速ビジネスジェット機AS2の開発企業『アエリオン(Aerion)』
『アエリオン(Aerion)』は同社が開発を進める超音速ビジネスジェット機AS2で有名な企業です。
かれこれ10年程度開発を続けていますが、まだ飛行試験などは行われていません。
今回、ボーイングは出資だけでなく、こうした飛行試験、製造の多くの部分でも『アエリオン(Aerion)』に協力していくことを表明しており、いっきに超音速ビジネスジェット機の市場が広がる可能性が出てきています。
『アエリオン(Aerion)』の開発する超音速ビジネスジェットAS2とは?
『アエリオン(Aerion)』が長年開発を続けている超音速ビジネスジェット機AS2ですが、およそ時速1000マイルでの飛行を計画しています。
時速1000マイルですから、だいたいマッハ1.3ちょい程度です。
大西洋を約3時間程度で黄疸できることになります。
なお、かつて存在したBAEとアエロスパシアルによる超音速旅客機コンコルドはマッハ2.0でしたので、これよりは劣るスピードとなりますが、ビジネスジェット機としては既存の機体よりも約1.7倍の速さとなっており、十分なスピードとなっています。
AS2の乗員数は12人、ビジネスジェット機としては標準的な大きさとなっています。
『アエリオン(Aerion)』はロッキード・マーチンとの提携を解消
ボーイングとの提携により、『アエリオン(Aerion)』はロッキード・マーチンとの提携関係を打ち切るとのことです。
ロッキード・マーチンとは2017年から提携関係にありましたが、両社の開発の方向が異なっていたもようで、今回の提携先変更となったもようです。
ロッキードは商用機、民間機分野にはさほど強くなく、近年は軍事分野ばかりを推進してきました。
ボーイングは民生用分野も十分な実績がありますし、マーケティングの面からみても適切な提携先変更といえるだろうと、多くの航空分野の専門家が指摘しています。
『アエリオン(Aerion)』のAS2は2023年までに初飛行、2025年までに発売予定
なお、『アエリオン(Aerion)』のビジネスジェット機AS2ですが、2023年までに初飛行を行い、2025年までに発売を予定しています。
ボーイングの出資額がどの程度なのかはわからないので何とも言えませんが、将来的には買収し、より乗客数の多い市場にも投入していく可能性が語られています。
『アエリオン(Aerion)』のAS2向けジェットエンジンはGEが製作
なお、『アエリオン(Aerion)』のAS2向けジェットエンジンはGE/ゼネラル・エレクトリックが開発しているとのことです。
まだ初期設計段階とのことで、完成形がどういったものになるかはわかりません。
『アエリオン(Aerion)』に出資したボーイングは、将来的にマッハ5を目指す
今回『アエリオン(Aerion)』に出資して超音速ビジネスジェット市場に乗り込んだボーイングですが、目下のところ、マッハ5超の旅客機の開発を目指しているとのことです。
世界的に速く移動するマーケットは広がっており、需要があるとの見込みのようです。
まだ当分開発に時間がかかりそうで、20年、30年程度のスパンでの話になりますが、将来的には世界中の空を超音速機が飛び回るせかいになるかもしれませんね。
以上です。