タイ総選挙~タクシン派がウボンラット王女の擁立を断念~解党の危機か

タイ総選挙~タクシン派がウボンラット王女の擁立を断念~解党の危機か

 

3月に行われるタイ総選挙、タクシン派国家維持党がウボンラット王女の擁立を断念

3月に行われる予定のタイ総選挙ですが、タクシン派の国家維持党は首相候補として担ぎ上げようとしていたウボンラット王女の擁立をわずか一日で事実上断念することになりました。

これは、タイのワチラロンコン国王の声明を受けた判断とのこと。

ワチラロンコン国王は、「皇室が政治参加することを不適切である」と表明。

国王の意見に反対することが許されないタイでは、この国王による政治介入姿勢で事実上、ウボンラット王女の擁立が不可能に。

ウボンラット王女は「断念する」との文言は使っていないようですが、事実上断念を示唆するようなコメントをしているとのことで、タクシン派国家維持党による首相候補への擁立はなかったことになりそうとのことです。

 

 

ウボンラット王女とは?

ウボンラット王女はタイの前国王であるプミポン国王と王妃との長女。

現国王であるワチラロンコン国王からみると姉にあたる人物です。

一度外国人と結婚したことで王室を離れましたが、離婚したことでタイに帰国。

その後は王族としての地位は法律上離れていますが、王室の一員としての尊敬は集めているとのことです。

テレビの歌謡ショーに出演したりするなど、ウボンラット王女はそのカジュアルな活動ぶりに定評があり、国民受けもいいのだそうです。

 

 

 

 

ウボンラット王女とタクシン元首相

ウボンラット王女はタクシン元首相やその周辺人物としばしば写真におさまっており、幾らか前にもサッカー観戦をタクシン元首相としている姿が映されるなど、タクシン派とのつながりが強く示唆される人物でありました。

今回、タクシン派国家維持党がウボンラット王女を首相候補に擁立したのは、そうした繋がりがあり、タクシン派が首相候補に担ぎ上げたのを、ウボンラット王女が独断で応じたからではないか、と言われています。

少し考えればこういった展開になる可能性も十分に考えられるはずですが、そういう頭はないようです。

御年67歳とのことですが、かなり軽い、と思います。

 

 

 

 

ウボンラット王女の擁立断念でタクシン派国家維持党に解散の危機

今回のウボンラット王女擁立断念ですが、タクシン派国家維持党にとっては痛い結果になりそうです。

軍政側は、選挙結果が軍政有利になりそうであればそのまま放置するかもしれませんが、いざ不利になりそうになれば、今回のウボンラット王女擁立の件を利用して、王室の政治利用との口実で国家維持党の解党を命じる可能性がありえます。

現在はまだそこまで行っていませんが、そうなる可能性も十分にありうると思います。

とりあえず、タイには日本の自動車メーカー、自動車部品メーカーなど多数が進出しています。

政情の不安定化だけは避けてもらいたいものです。

以上。