ナイジェリア大統領選~実質的にムハンマド・ブハリ大統領とアティク・アブバカル元副大統領の一騎打ち
ナイジェリア大統領選挙が2月23日に延期~ブハリ陣営による時間稼ぎか
当初2月16日に行われるはずだったナイジェリア大統領選挙が2月23日に延期されました。
投票5時間前に急遽、ナイジェリア独立国家選挙管理委員会INECから一週間の延期を指示されるという急展開に、INECに対して権力を行使できるムハンマド・ブハリ大統領派陣営(全進歩会議APC)による、意図的な延期なのではないか、という憶測が流れています。
この件に関してムハンマド・ブハリ大統領に事実上一騎打ちを挑んでいるかたちのアティク・アブバカル元副大統領(人民民主党PDP)は、支持者に対して平静を保つように指示。
「運命は決して延期できない」としてムハンマド・ブハリ大統領を非難する発表を行いました。
なお、ナイジェリア大統領選挙では両陣営ともに勝利を確実にするため投票登録をする人員をあちこち移動させて数合わせをしているとされ、選挙の延期はそうした努力を無駄にさせるための策略なのではないか、という観測が出ています。
ナイジェリア大統領選挙、ややアティク・アブバカル元副大統領(人民民主党PDP)有利か?
今回のナイジェリア大統領選挙ですが、ややアティク・アブバカル元副大統領(人民民主党PDP)が有利に戦っているのではないか、と言われています。
ムハンマド・ブハリ大統領はかれこれ1980年代から政権の中枢および軍、エネルギー関連権益に絡むポジションで活動してきた人物ですが、ここにきて高齢化に伴う後継者争いが活発化してきています。
ボコハラムの問題や英語圏・仏語圏の住民間の抗争などを調停できないムハンマド・ブハリ大統領にたいして国民は支持をしなくなってきていると言われ、政局は大きく動きそうな状況になっています。
アフリカ最大の人口とGDPのナイジェリアで行われる大統領選挙
ナイジェリアはアフリカ大陸最大の人口1億9000万人を誇り、世界7位の人口の国となっています。
またアフリカ最大の経済大国であり、アフリカ経済の1/4を占めるといわれています。
ナイジェリアは一人当たりGDPは3000ドルの壁を2014年に突破しましたが、直後に政局の混乱やエネルギー価格の変動、ボコハラムを中心とした治安情勢の大幅な悪化が起き、現在は2000ドルを割り込む水準となっています。
それでも、英語圏のトップ校を卒業した人材が豊富にいるなど、人材面での優位性、港湾などのインフラ面などの優位性や後背地の存在、またエネルギー産出でもアフリカ有数の規模となっており、ナイジェリアは域内経済の中心として非常に重要な国となっています。
とりあえず、ナイジェリアの総選挙のゆくえは、今年のやや気がかりなニュースのひとつです。
注目しておいた方が良いと思います。
以上。