セブンイレブンなどコンビニのフランチャイズ契約を人権侵害と非難する違和感
セブンイレブンとフランチャイズ店オーナーが24時間営業を巡って対立
大手コンビニエンスストア、セブンイレブンとフランチャイズ契約を結ぶオーナーが、アルバイトを募集したものの集まらず、仕方なく24時間営業をやめて19時間営業にしたところ、セブンイレブンから違約金を請求された・・・として鋭く対立しているそうです。
この件を最初に報じたのは弁護士ドットコムだったようですが、これに多くのメディアが食いついて、やれ人権侵害だの、やれセブンイレブンのやり方は悪辣だのと騒ぎ立てています。
セブン「24時間営業」やめた店舗に非情通告で見える現場軽視のひずみ 週間ダイヤモンド 2/21(木) 6:01配信
コンビニオーナーから悲鳴相次ぐ 「人権より契約」赤字でも、違約金でやめられず 弁護士ドットコム 2019年02月22日 12時31分
セブンオーナー「過労死寸前」で時短営業…「契約解除」「1700万支払い」迫られる 弁護士ドットコム 2019年02月19日 18時11分
しかし、どうにも自分的には違和感があります。
セブンイレブンとフランチャイズ契約を結んだオーナーは、果たして本当に労働者確保の努力を果たしたのか?
個人的にはここが一番の疑問点です。
この弁護士ドットコムの記事のなかには、以下のような記述があります。
セブンのFC契約は15年更新。松本さん自身は2012年からだが、この間だけでもコンビニは8000店ほど増えており、大阪府の最賃も100円以上あがった。コンビニの密度があがれば、人を集めるのも困難になる。
だそうです。
なるほど、大阪市の最低賃金は100円上がったそうです・・・
・・・で??
だからなに?
最低賃金が上がったからなんだってんでしょうか?
最低賃金は文字通り、行政が決めた「最低の賃金水準」です。
アルバイトの募集を最低賃金で行えば集まるというものではありませんし、
最低賃金が100円あがったから、今までの賃金に100円足せば集まる・・・というものでもありません。
労働者を集めるのに相場があるとすれば、それは行政が決めた最低賃金ではなく、相対取引です。
事業者が労働者に払う賃金水準と、労働者側が求める賃金水準が出会ったところが賃金水準です。
本気で労働者を確保したいと思うなら、何十万でも払ったらよろしいのです。
それで事業が成り立たないなら、それはその立地の問題か、事業者自身のマネジメント能力の問題でしょう。
っていうか、この記事ホント変ですね。最低賃金をいきなり持ち出すあたりも誘導的ですし、なんで大阪市の労働者が集まらんて話をしていたのに、全国のコンビニ店舗の増加数を持ち出すのか・・・?
ちょっと、意図的なものを感じます。
24時間開くのは、フランチャイズ契約をセブンイレブンと結んだ時点でわかっていたことでは?
24時間コンビニを開きっぱなしにしないといけないというのは、そもそもセブンイレブンとフランチャイズ契約を結んだ時点でわかっていたことではないのか?と思います。
コンビニで働いた経験があれば(特に深夜)、深夜のコンビニが客が来ないからしめとけばいい・・・なんて言わないと思います。
深夜には深夜なりにする作業があります。
掃除、配送の受け取り、品出し、伝票のチェックと発注、フライヤーの準備などなど
それらを夜間にやるから、昼間のコンビニ運営に穴があかずに回るのです。
夜中の時間が客が来なくて赤字になるから閉めるとか、およそコンビニのフランチャイズ店舗を経営している方とは思えない発想です。
配達の受け渡しはいつやるのでしょうか。わざわざ昼間に配達してもらうなら、そのぶんのコストはかかりますよね。
品出しや掃除は昼間にやるんでしょうか。お客さん嫌がりそうですが。
発注作業とか含め、フランチャイザー側との調整を大幅にやり直す必要がありそうですが、そこで発生するコストは誰が負担するんでしょうか。たぶんシステムの組換えには数千万どころか億単位のコストが発生すると思いますが。
セブンイレブンのフランチャイズオーナーは、あくまでも事業者
セブンイレブンのフランチャイズオーナーは、あくまでも事業者です。
消費者とは異なります。中小企業のオーナーと同じです。
世の中には個人事業に毛の生えたような中小企業なんて五万とあります。
そういった個人事業の中小企業オーナーが、労働者が集まらないからといって取引先との契約を一方的に破棄したら、契約不履行で損賠請求されますよね?
それと同じことですよ、フランチャイズオーナーがフランチャイザーであるセブンイレブンから損賠請求されるのは当然なわけです。
これを人権問題だとかいうなら、中小企業のオーナーの稼ぎも全部、人権問題として取り上げたらいいです。
世の中、それでうまく回るとは到底思えませんがね。
セブンイレブンのフランチャイズオーナーは、昔は儲かっていた
自分は知人にセブンイレブンのフランチャイズオーナーがいましたから、どんな感じだかわかります。
昔のセブンイレブンのフランチャイズオーナーは儲かってました。
当時は就職氷河期でしたから、労働者はいくらでも集まりました。
儲かって儲かって、どんどんと店舗を拡大していました。
まぁ、ある時期をこえてから、労働者が集まらないとボヤいていましたが。。。
この方は、2012年から始めたとのことで・・・まぁ、時期をみるのが遅いですね。遅すぎたと思います。
労働者がたくさん集まる、フランチャイズをやるのに美味しい時期にやらず、人手不足の時期にやってしまう・・・それは本人の世の中を見通す目の問題もあるのではないかと思います。
フランチャイズビジネスにはリスクがある一方で、コストを負担したあとのリターンをすべて総どりできる魅力があります。
悪い時期にフランチャイズオーナーになってしまった方は、上手く稼げないのをボヤいています。
でもそういう人も、もし時期さえうまく噛みあって儲かったなら、ドヤ顔してぶいぶい言わせているに違いありません。
儲かった時だけ自分の手柄、損した時には他人のせいというのは、なんともみっともない。
相場でもなんでもそうですが、すべて自己責任でしょう。
自分が損したのを社会のせいにしたり、取引相手のせいにしたりして、お涙頂戴な展開に持ち込むのはよろしくないと思います。
潔く諦める。
己の能力の限界を認めることが大切だと思います。
セブンイレブンとのフランチャイズ契約に詐欺があったというのなら、それはそれで訴えてみたらいいと思います。
たとえばこの弁護士ドットコムの記事にもあるとおり、事業運営のアドバイスが足りなかったなどという主張は、フランチャイザー側の履行義務違反であるかもしれない。
そういう主張ならわかります。
でも、それと「労働者が確保できない」「儲からない」というのは話が別です。
労働者なんて、時給3000円くらい払えば幾らでも見つかるはずです。
ようは相場が低すぎる。
買おうとする株があって、どんどんあがっていくのに、指値で下の方にちびちび発注しているようなもんです。
そんなんやってたら、集まらないのは当然でしょう。
え?時給3000円払ったら赤字になる?
・・・ならばその事業を始めようとした自分の無能っぷりを嘆いたらいいんです。
とりあえず、こういう左巻きな論調は非常に違和感があります。
自分も昔は人を使っていましたから、この人の立場はわかります。
辛いのもわかる。けどそれで弱音を吐いてちゃダメですよ。
誰もついてきてくれません。
間違いないですよ。
以上です。