『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』~香港が8.8兆円をかけて世界最大の人工島建設へ~嘉華集団や瑞安房地産が支持表明

『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』~(Lantau Tomorrow Vision/明日大嶼願景)~香港が8.8兆円をかけて世界最大の人工島建設へ~嘉華集団や瑞安房地産が支持表明

 

香港行政府が8.8兆円をかけて人口島を建設する『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』~(Lantau Tomorrow Vision/明日大嶼願景)

 

香港行政府の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)長官は、日本円で約8.8兆円もかけて人工島を建設するとの方針を固めました。

この計画、『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』(英名:Lantau Tomorrow Vision/中国名:明日大嶼願景)といいますが、

以前から計画されてはいたものの、環境保全などの観点から反対する声も多く、予算的な制約もあって実現を危ぶむ声もありました。

しかし香港行政府はこうした声を無視し、強行突破的に人工島建設に突き進むようです。

Hong Kong to build one of world’s largest artificial island projects  Guardian

 

香港の住宅地不足解消に人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』が必要?

香港は慢性的に住宅が不足しており、世界でも有数の地価、家賃の高い地域となっています。

日本のワンルームマンション程度の物件ですら家賃30万円が最低限で、平均だと40万円程度と言われます。

もう少しましなものになると50万、60万円はザラ、とても稼ぎで払える額ではない。

中には工業地帯で寝起きをしたり、カプセルホテルほどの部屋で過ごす人も居るのだそう。(ブルームバーグ-2018/08/26)

とりあえず、後背地中国による爆買いのせいで世界でも有数の地価上昇を経験した香港・・・

あまりにも高すぎて、家賃を払えない若者たちは海外に移住してしまっているのだそうです。(言論の不自由さも嫌気されているようですが。)

こうした状況を受け、公営住宅への入居を希望する人が多数に上っているとのことで、公営住宅の追加供給を求める声は多方面から上がっていました。

そうした声をばねに計画されたのが、この香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』です。

 

 

 

香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』の内容

とりあえず、香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』のスペックについて報道をベースにまとめます。

 

場所はランタオ島周辺の1000haになるとのこと

面積としては、ニューヨークのセントラルパークの約3倍とのこと。

最大26万戸の共同住宅が建設されるとのことで、うち70%が公営住宅になるとのことです。

開発費用は790億ドル、世界最大級の埋め立てプロジェクトになるとのこと。

なお開発期間は2025年から埋め立てはじめて、2032年には移住計画を可能にするとのこと。

 

 

環境保護に配慮して縮小された?香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』

上記計画は、以前に計画されていた香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』の内容からだいぶ縮小しています。

以前は、面積1700ha、費用は11兆5000億円とのことでした。

若干縮小したのは、環境保護団体など反対派への配慮でしょうか。

開発地となるランタオ島では、シナウスイロイルカというピンクイルカの一種の生物が生息しているとのこと。

工事や埋め立てを行えばこれらの個体の激減に繋がるとして反対派は抗議しています。

 

 

 

香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』に嘉華集団や瑞安房地産が支持表明

とりあえず、今回の香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』にかんしては、反対派、賛成派どちらからも、この開発の目的が景気対策、デベロッパー対策であるとして非難の声があります。

本来ならデベロッパーに渡してある開発地を使えばいいのに、それをせずに新たに島を作る必要があるのか?という声が多いようです。

この造成にはかなりの資金が動きます。

開発業者には多大な恩恵があるのは確実。

K. Wah International Holdings 嘉華集団(0173)やShui On Land 瑞安房地産(0272)がさっそく香港人工島計画『ランタオ・トゥモロー・ビジョン』への支持を表明しています。

なぜ香港とゆかりがあまりないShui On Land 瑞安房地産がこのような表明を行ったのか、個人的にはよくわかりませんが、何かありそうな気がしています。

これについてはまたのちほど書いて行こうと思います。

以上です。