【7013】IHI(石川島播磨重工業)の業績・決算と株価

【7013】IHI(石川島播磨重工業)の業績・決算と株価

 

今回は国内重工業大手のIHI(石川島播磨重工業)についてみていきます。

IHI(石川島播磨重工業)は目下、航空機整備分野で不適切検査が発覚し大変な状況に陥っています。

また、かつては橋梁談合、水門談合などの主要企業として制裁対象となってきた歴史をもち、法令違反がもはや社風の一部なのではないかと思われるほど、ダーティでブラックなイメージの付きまとう会社となっています。

とりあえず、そんなIHI(石川島播磨重工業)について、まずは事業内容からみていきましょう。




 


IHI(石川島播磨重工業)の事業内容

IHI(石川島播磨重工業)の事業は、

  • 資源・エネルギー・環境事業 31%
  • 社会基盤・海洋事業 10%
  • 産業システム・汎用機械事業 29%
  • 航空宇宙防衛事業 29%

となっています。

とりあえず、重工業全般と言えると思います。

個別具体的な数値は以下をご覧ください。

 

 

 

 

なお、事業内容を売上比率でみると上記比率ですが、営業利益段階でみると、IHI(石川島播磨重工業)はほぼ航空・宇宙・防衛事業で稼ぐ構図となっています。

 

 

 

IHI(石川島播磨重工業)の航空機整備・不正検査

IHIが行った航空エンジン整備において、6340件の不適切検査が行われていたとして、国土交通省が行政処分を下しました。

前回の検査時には国土交通省認定エンジン21基が対象でしたが、

その後、同社が整備したその他すべての民間航空機用エンジンを調査したところ

調査対象となった213基のエンジンのうち、なんと209台のエンジンに不具合が確認されるという事態に発展。

異例の行政処分となっています。

 

 

IHI(石川島播磨重工業)と橋梁談合事件と水門談合事件

IHI(石川島播磨重工業)のコンプライアンス無視は今に始まったことではありません。

かつては橋梁談合事件に連座して処分を受けたり、水門談合事件で摘発を受けたりしてきました。

自分達のグループが持ち回りで受注できるように、他社が参入してくるのを排除するような価格で受注したりしていたとのことです。

なお、この橋梁談合事件に関しては株主代表訴訟も起こされ、IHI(石川島播磨重工業)の当時の役員ら4人が和解解決金として1億4000万円を払ったほか、

公正取引委員会からも7億1000万円の課徴金納付命令を受けています。

(ちなみに橋梁談合の背景には、技術の中心がプレストレストコンクリート橋梁中心になってきたことへの警戒感があったとのことです。

プレストレストコンクリート業界~高速道の床版・中央リニアの側壁ガイドウェイなどで需要拡大か

NEXCO全体からも逮捕者を出したこの事件、本当に好ましい技術を採用せず、金のために修繕コストの大きくかかる既存の鉄鋼橋梁を採用したという、愚かな事件となっています。)

 

 

IHI(石川島播磨重工業)の2019年Q3業績

IHI(石川島播磨重工業)の業績についてみていきます。

IHI(石川島播磨重工業)の2018年Q3決算は売上が減少する一方、営業利益は増加しました。

とはいっても、営業利益率は5%そこらでしかなく、自己資本比率が20.2%というのも極めて低い水準。

ちょっとでも不景気に突入したら、壊れかねない事業構造にみえます。

 

 

 

IHI(石川島播磨重工業)セグメント別業績

先ほども書いた通り、IHI(石川島播磨重工業)の事業セグメントは売上ベースではまんべんなくばらけていますが、利益面では半分以上を航空宇宙事業に頼る構造で回しています。

今回、一番の稼ぎ頭である航空宇宙事業で不正が発覚したということが、同社にとって大きな打撃でないはずがありません。

今後は整備にコストがかかることは間違いなく、受注においても不利な状況に立たされることになるのではないかとおもわれます。

 

IHI(石川島播磨重工業)の株価

月足

日足

 

IHI(石川島播磨重工業)の株価推移は、お世辞にも良好とはいえません。

一番の稼ぎ頭の不正発覚で、業績の先行きがまったくみえなくなっています。

以上で短評終わります。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。

以上。