【3994】マネーフォワードの業績・決算と株価~クラウド会計などを展開するSaaS銘柄

【3994】マネーフォワードの業績・決算と株価

今回はマネーフォワードについてみていきます。

マネーフォワードは、クラウドによる会計、確定申告、請求書管理などを行うSaaSプラットフォーム「マネーフォワード・クラウドシリーズ」を提供するほか、家計簿アプリのマネーフォワードMeなどを展開。

日本のFINTECH銘柄のひとつとされている企業です。

とりあえず、そんなマネーフォワードについて事業内容からみていきましょう。




 

 

 

マネーフォワードの事業内容

マネーフォワードを一言であらわすなら、

「日本におけるフィンテック事業の代表格」

ということでしょうか。

 

ビジネス向けには、クラウドコンピューティングによる会計、請求書管理、確定申告、経費分析、勤怠管理、資金管理サービスなどを提供(マネーフォワード・クラウド)するほか、企業間後払い決済サービスの「MF KESSAI」などを保険会社と提携して提供。

個人でも青色申告をされている方などは多くがマネーフォワードやfreeeなどの会計クラウドを利用しています。

月額課金で安く、API連携などもされていて非常に便利、とのことです。

 

また消費者向けには、家計簿アプリの「マネーフォワードME」を提供するほか、おつり積み立てサービス「しらたま」も開発。

とくにマネーフォワードMEは、家計簿アプリの利用者シェアNo.1となっています。

 

また金融機関向けに通帳アプリの開発も請け負っており、地銀、信金など向けに通帳アプリや資産管理アプリなどを開発・販売しています。

 

マネーフォワードの特徴

マネーフォワードの特徴としては、金融機関とのAPI連携がしっかりとれていること。

参照系に関してはみずほ以外の主要行と提携するほか、ネット銀、地銀の多くとも提携。

2020年までに80の銀行とのAPI連携が目指されています。

 

 

 

 

マネーフォワードの業績~営業費用推移

マネーフォワードの業績は売上高が非常に高い成長を示しています。

(といっても、個人的には想定よりも低い成長スピードです。)

主力のビジネス部門は年率60%の売上高成長

家計簿などのホーム部門は39%の成長

金融機関向けの開発をおこなうX事業は23%の成長です。

しかし同時に、マネーフォワードの業績は赤字垂れ流しです。

営業費用がどんどん膨らんでいます。

これは日本でも海外でもそうですが、こういった会社は現在、非常に資金が集まりやすい環境にあります。

低インフレ時代で低金利ですから、ベンチャービジネスへの投資意欲も活発で資金がじゃぶじゃぶあります。

マネーフォワードも昨年末に大規模な増資を行いましたが、見事に資金調達に成功。

今後もこの札束燃料を燃やしながら、推進していくもようです。

こういう企業が苦しくなる時は、金利上昇するときです。

 

 

マネーフォワードの2019年Q1決算・業績

 

マネーフォワードの決算は上記のようになっています。

非常に大きな赤字を垂れ流しています。

 

広告宣伝費を積み増したことが主因(4.8億円)ですが、開発人員の増加も大きく影響しています。

前年1Q 4.68億 ⇒ 今年1Q 8.44億

今後もこの水準の伸びを続けるのかどうか、そこらへんは注目でしょう。

 

 

 

マネーフォワードの株価

マネーフォワードの株価は、かなり荒っぽい動きを示しています。

上場してすぐに株価は2倍になりましたが、そこからすぐに半値、そしてまた上昇・・・ジェットコースターですね。

市場の期待は高いのですが、事業の拡大スピードは現実的にそこまで高くないことと、コストの増大が嫌気されています。

とりあえず、まだまだ家計簿アプリのシェア的にはトップとは言えワンオブゼムの状態です。(シェア17%くらい?)

またクラウド会計にしても他社との兼ね合いから金額を大きく上げづらく、利益貢献までにはやや時間がかかる可能性がある。

欧米と違って開発人員のカットをしにくいため、投資フェーズから運用フェーズへと移行しにくいという問題もあり、なかなかに見通しを立てにくいところではあります。

とりあえず、マネーフォワードのような銘柄の株価推移は、業績よりもいま置かれている金融環境次第といったところが大きいのが現実です。

世界的なカネ余りがいつまで続くか、そこだけが重要だと思われます。

以上です。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資においては自己責任で行うようお願いいたします。