【ISRG】インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)の業績・決算と株価~手術支援ロボットDa Vinci(ダ・ヴィンチ)のメーカー
今回は手術支援ロボットDa Vinci(ダ・ヴィンチ)を製造・販売・保守サービスするインテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)についてみていきます。
インテュイティブ・サージカルは手術支援ロボットの分野で草分け的な存在で、各種開発力、サポート力には一日の長があると言われています。
しかし同社の製品は非常に高価なことで知られており、新興国はもとより、先進国の病院でも導入を進めるのが難しいのが実情です。
近年、国家ぐるみで手術ロボットの開発を展開する国も出てきており(日本もそのひとつ)、インテュイティブ・サージカルの成長にはやや陰りがみえてきています。
インテュイティブ・サージカルの事業内容
インテュイティブ・サージカルの事業内容としては、手術用ロボットDa Vinciの開発と製造、販売、保守および、消耗品の販売などとなっています。
インテュイティブ・サージカルの開発したDa Vinci(ダ・ヴィンチ)は非常に細かい作業がしやすいと言われており、低侵襲治療が期待される分野で多く利用されていると言われています。
米国では内視鏡手術から徐々に手術用ロボット治療に移行する流れができており、これがインテュイティブ・サージカルの業績向上に繋がってきました。
以下に、キャサリン・モーア副社長(Catherine Mohr)の解説があります。
一部手術時の映像があります。嫌な人はみないようにしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=Q4ZFud69hfc
インテュイティブ・サージカルに逆風が吹く
インテュイティブ・サージカルの業績は、ここもと鈍化傾向にあります。
この背景に、同社の製品が高すぎることを挙げることができるでしょう。
TBSラジオ2018年4月4日の記事によると、2018年現在、インテュイティブ・サージカルの手術用ロボット、Da Vinciの最新機種では、本体価格が3億5000万円、維持費も年間3000万円、消耗費が一回当たり40万円かかるとのことです。
あまりに高いため、日本などは
「自国でロボット医療の開発できるんじゃね?」
と開発し始めました。
他の国でもそういう企業が出てきています。
儲かりそうとなると、いろいろな会社が参入してくるのは、どこの業界でも同じです。
また、当のアメリカでも、メディケア・フォー・オールの掛け声のもと、国民皆保険制度が導入されようとしています。
日本でもそうなのですが、国民皆保険になると、高額な医療行為は治療効果に非常に優位な差がないかぎり、保険適用されにくくなるか、他の治療方法(例えば内視鏡手術)などと同じ程度の保険支払いしか受けられなくなります。
こうしたことがインテュイティブ・サージカルにとっては逆風となりつつあります。
インテュイティブ・サージカルの2019年Q1決算と業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1119251266654199808
インテュイティブ・サージカルの決算が発表されました。
まず、DaVinciシステムの売上台数は235台となっています。
この数字は前年同期比27%増となっていますが、前期、前々期の30%台半ばの数字からは大きく鈍化してきています。
そしてさらに悪いことに、システムの売上高は前年同期比5.54%上昇です。
つまり、台数は27%売ったのに、システム売上は5.54%しか伸びなかったということ。
価格を大きく引き下げていることがみえました。
売上全体では、アクセサリー類の販売や保守サービスの展開で14.89%増となっています。
しかし利益は逆に276.7⇒252.2に減少してしまっています。
粗利70増やすために販管費52増やしています。
どんだけ接待攻勢やっているんでしょうか?
いろいろやらんと売れなくなってきているし、売れても薄利になりつつある、というのがインテュイティブ・サージカルの現状ではないでしょうか。
これは超絶ネガティブ・・・だと自分は思います。
インテュイティブ・サージカルの株価
インテュイティブ・サージカルの株価は、ここもとのヘルスケア株売りの流れを受けて大きく下落していました。
が、今回さらに悪い決算が発表されてしまい、今後の動向には注意が必要な状況になっています。
個人的には、超絶弱気である、と言っておきます。
とりあえず、上記はあくまでも個人的見解です。
特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。
投資にあたっては自己責任でされるようお願いいたします。
以上。