【6890】フェローテックホールディングスの決算・業績と株価

【6890】フェローテックホールディングスの決算・業績と株価

 

今回は半導体製造装置関連銘柄、フェローテックホールディングスについてみていきます。

フェローテックホールディングスは電子部品材料および半導体製造装置関連部材を仕入れ、製造・販売しているメーカーです。

同社はもともとは専門商社的な立ち位置から成長した企業で、その後に製造にも手を広げてきました。

まずはそんなフェローテックホールディングスについて、事業内容からみていきましょう。




 

 

フェローテックホールディングスの事業内容

フェローテックホールディングスの事業内容は、会社側の報告セグメントに従って分類すると主に3つ

  • 半導体等装置関連事業
  • 太陽電池関連事業
  • 電子デバイス事業
  • その他

となります。

それぞれについてもう少し詳しく書いていきます。

 

 

フェローテックホールディングスの電子デバイス事業

同社の製造業としての最初の事業がこのセグメントになります。

このセグメントにおける一番の稼ぎ頭はペルチェ素子などのサーモモジュールです。

日本では一般的ではありませんが、アメリカでは自動車用シートを冷やしたり温めたりする製品(ジェンサーム社、リア社など)がありますが、そういった企業に部品をおろしているのは、確かフェローテックホールディングスだったと思います。(現在は未確認)

 

また、このセグメントに属す磁性流体は、同社の製造業としての祖業でもあり、その後の展開における重要な役割を果たします。

たとえば、半導体製造装置や蒸着プロセスにおける真空シールなどに利用される物質です。

 

 

フェローテックホールディングスの半導体等装置関連事業

フェローテックホールディングスの半導体等装置関連事業は、現在では同社の一番の稼ぎ頭です。

先ほども書いた磁性流体を利用した真空シールは主力製品のひとつで、たとえば有機ELの製造プロセスに必要な蒸着プロセス向けや、蒸着メッキ加工などで利用されていたりします。

また、薬剤処理などに利用される耐腐食性の石英製品などを製造するほか、マシナブルセラミックスなど微細加工用ツールに利用される製品も供給しています。

このセグメントの浮沈が、同社の業績に一番影響します。

 

 

 

フェローテックホールディングスの太陽電池関連事業

この事業は同社のお荷物事業です。

ひたすら赤字を垂れ流しており、電子デバイス事業で上がった利益と同程度を失っています。

もはや会社側も諦めているのか、事業紹介のページをなくしていますw(2019年4月22日現在)

 

 

フェローテックホールディングスの業績

売上の伸びが急減速しています。

利益は伸び悩んでいます。

ただ、中身をみるとそこまで酷いものではありません。

セグメント別に見ていきましょう。

 

フェローテックホールディングスのセグメント別業績

 

前年3Q

 

今年3Q

上記をみてわかりますが、足を引っ張っているのは太陽電池関連事業です。

昨年、中国で太陽光発電向けの補助金がいきなり削減されました。(背景には系統への接続がされずに放置されている設備が多いことがあげられます。)

その影響で再生エネルギー電力会社の設備投資がいっきに消え、設備の値崩れがおき、その影響が出ています。

 

主力の半導体製造装置関連は、確かに投資手控えが起きている状況ですが、同社は高い水準の伸び率をキープしています。

同業に比べてもさほど悪い数字にはみえません。

 

 

フェローテックホールディングスの株価

フェローテックホールディングスの株価は、まさに半導体製造装置の景気を映す鏡です。

むしろ、それ以外の要素が一切ないのではないか、と思えるほどのわかりやすい動きをしています。

一番大きな相場を形成したのはITバブル後のところでした。

今回の相場は、それに匹敵するほどのテックバブルだったことがわかります。

個人的に、昨年、今年の全体相場がITバブルとどことなく似ているといったことを以前から書いてきましたが、それはこういった個別銘柄の動きからも言えることだと思います。

 

とりあえず、以前の動きを参考にするなら、もう一度悲観がやってくるかなぁという感じはします。

そのあとの動きは、その時に判断する方が安全かな、と思います。

 

長期で見るなら、同社の経営は山村章社長の手腕を信じられるかどうか、という点です。

これまでの実績を考えると、技術的な視点で将来を見通す目に優れた、かなりいいセンスを持った技術系の経営者だと自分は見ています。

とりあえず、以上です。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解です。

特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。