スリランカ連続爆破テロ~ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)
ナショナル・タウヒード・ジャマア(NTJ)による2019年スリランカ連続爆破テロ
スリランカで2019年4月22日、教会やホテル、レストランなどを狙った連続爆破テロが発生しました。
これによる死者は350人をこえており、世界的に見てもかなり規模の大きな爆破テロとなっています。
この爆破テロを主導したと目されているのが、ナショナル・タウヒード・ジャマア(National Thowheed Jama’ath)です。
警察による捜索で、関連するアジトからは大量の武器弾薬が見つかったとされ、背後に大掛かりな資金調達網があったことも窺えるということです。
また今回のテロ事件で犯行声明を出したIS(イスラミック・ステート)との関係にも注目が集まっており、実際、シリア帰りの元ISの男が警察に拘束されている、といった報道もされています。
とりあえず、今回のテロの背景にはかなり大掛かりなネットワークがあったもようで、今後もこういったテロが起きないか懸念が広がっています。
ナショナル・タウヒード・ジャマアとは?
ナショナル・タウヒード・ジャマア(National Thowheed Jama’ath)は、スリランカのイスラム教過激派集団のひとつ。
「タウヒード=一神教」、「ジャマア=集団」という意味だそうで、まとめると、「国内の一神教崇拝集団」ということになるでしょうか。
スリランカはご存知の通り、仏教徒が非常に多いお国柄です。
多数派仏教徒のシンハラ人(82%)に対し、ヒンドゥー教徒のタミル人(9.4%)、ムーア人(7.9%)、マレー人という構成になっています。
宗教的な分布でみても、仏教70%、ヒンドゥー教15%、キリスト教カトリック8%、イスラム教スンナ派7%となっています。(データブックオブザワールド出典)
政治、経済の中枢を仏教徒が握り、これに反発したタミル人がテロ行為を行うような時代も長く続きました。(タミルイーラム解放の虎/LTTE)
こうした混乱の中でイスラム教徒は静かに暮らしてきたのがスリランカのこれまでの歴史です。
ナショナル・タウヒード・ジャマアにしても、仏像を破壊して回ったりする行為をしたことはありますが、ここまで大規模な爆破テロ行為を起こすような集団ではなかったということです。
それが近年、過激な集団に変容していった・・・その背景には、やはりISなどに共鳴する若者が一部に存在したこと。
また、そのISから帰ってきた伝道師的なものがスリランカにも侵入してきたこと、それらがあったのではないか、と言われています。
ナショナル・タウヒード・ジャマアのザフラン・ハシム師の演説
さて、今回自分がこの記事を書こうと思った本当の意図をこれから書きます。
今回、スリランカでテロをおこしたとされるナショナル・タウヒード・ジャマアですが、その創始者のザフラン・ハシム師が以前、Youtubeに動画を投稿していました。
この動画は既に削除されたようで見当たらないのですが、とりあえず、ネット上の写真が残っているのでちょっと見てみてもらいたいのです。
以下になります。
どうですか?
なにか感じませんでしょうか?
・・・イスラム過激化派の最大の敵、アメリカの真横に日本が描かれているんですよ。
アメリカの下はカトリックの国ポルトガル、上はイタリア、左はブラジルです。
その周辺もカトリックの国オーストリア、英国教会イギリス、プロテスタントのドイツ、ヒンドゥーのインドなどが並びます。
つまり、日本は彼らの認識の中では、これらの国と大差ない存在だということ。
アメリカの右腕になっているのが日本、という認識な可能性があるわけです。
これがナショナル・タウヒード・ジャマアに限った認識なのか、それともイスラム社会全般で浸透している思想なのか、そこら辺が問題です。
今後、日本がテロの標的になる場面も出てくるかもしれません。
日本は多神教の神道を背景にした天皇を崇める者が多く、アメリカに付き従っている同盟国です。
あとは、イスラム教徒の不満分子が国内に増えれば、テロは確実に起きるでしょう。
たとえば、移民二世、三世などが学校や会社、社会でいじめられて、テロに走る可能性は十分にあります。
今のうちからそうならないようにしていく必要があると思われます。
以上です。