ファーウェイ制裁は既定路線だった可能性~前川レポート後の日本と酷似
ぶっちゃけた話、ファーウェイ制裁は既定路線だった可能性があるとみています。
「米中貿易交渉が決裂したから、ファーウェイへの制裁を強化したのではないか?」
とか
「ファーウェイへの制裁は中国側に関税問題で妥協を促すためのものじゃないか?」
とみる向きもあるようです。
しかし、どうも個人的には違う気がしています。
アメリカ側は、貿易交渉が妥結したらすぐにでも、ファーウェイ制裁をするつもりだったんじゃないか。
それを中国側は察知していたのではないか。
そんな気がしています。
今回のファーウェイ制裁は、アメリカが中国にたいして
「5Gの主導権を渡さない」
と明確に主張している行為。
これは貿易交渉が妥結しようとしまいと関係なかったはず。
対イラン制裁を根拠に持ち出しているあたりからみても、別要素としていずれ行おうとしていたのではないかと思います。
アメリカは、とにかくファーウェイを邪魔したかった。
でも、米中貿易戦争でも果実を得る以上、ファーウェイ制裁はいったん脇に置いておいた・・・
それが真実じゃないかと思います。
現在の米中貿易戦争は前川レポート当時に似ている
それは1986年に前川レポートでアメリカ側の要請にしたがったのにも関わらず、
1987年に日本のテレビやパソコン、半導体に100%の制裁関税をかけたことと似ています。
当時の交渉を担ったのも若いころのライトハイザーでした。
そして、日本の半導体企業が1989年まで世界トップ3を握っていたのを崩し、90年以降はモトローラとインテルがのし上がります。
ハッキリ言って、ファーウェイ叩きは既定路線だったと思います。
それに気づいた中国側の高官はさすがです。
というか、米中枢部にスパイがいるとみて良いと思います。
かなり、政策立案に近い所にいる可能性があります。
とりあえず、中国側は外堀を埋められて息の根を止められるような事態を回避できました。
それはとても良いことです。
問題はこのあとですね。
米国はたぶん、中国への圧力を強めていくはずです。
中国もまた、アメリカの行動を妨害しまくるようになるはず。
米国側についていえば
目先では、米為替報告書が重要になってきます。
米国は中国を為替操作国認定する可能性があります。
操作国に該当するためには要件がありますが、今回は要件をいじくる可能性がある。
中国側についていえば
米国を邪魔するために、国境をまたぐM&Aをことごとく妨害する可能性があります。
これは被買収を前提にした株価形成となっている一部の企業にとって問題になります。
また、米国の裏庭となっている国などに監視システムや武器を大量に売りつけて中国と同様の統治体制を輸出しようとするかもしれません。
とりあえず、こういう喧嘩は遠巻きに見ておいた方がいいです。
肩入れするとろくなことになりません。
以上。