【JR東】北陸新幹線の浸水で担当役員の善管注意義務違反は問われないのか?
台風19号により北陸新幹線が浸水
台風19号による大雨により、千曲川が氾濫。
この影響により東日本旅客鉄道(JR東日本)の長野新幹線車両センター構内にとめられていた新幹線車両が浸水しました。
被害は留置線においていた12両編成7本と、検査庫においていた12両編成3本の合計10編成120車両にも及びます。
電気系統がほぼ浸水していますから、安全第一の観点からたぶん廃車扱いになるでしょう。
(輸送コストもかさみますから、修理の方が高くかかる可能性もあります。)
被害総額はおよそ300億~400億程度
これだけなら金持ちなJR東日本にとってはさほど大きな金額ではありませんが、
繁忙期の運行本数の減少などを考えれば被害額はさらに膨らみます。
かなり酷い被害だと思います。
台風19号による北陸新幹線浸水は避けられない被害だったのか?
個人的に、非常に疑問に思っていることがあります。
それは、今回の台風19号による北陸新幹線浸水を天災として
「仕方なかった」
としてしまう見方が多い件です。
少なくとも、JR東日本の経営陣の善管注意義務違反を問うような声はまったく聞こえてきません。
なぜでしょうか。
巨大台風が来ることはわかっていました。
進路もだいたいわかっていました。
大雨で千曲川が決壊するリスクは十分に予見できたはずです。
確実に決壊するとはいえずとも、そうなる可能性は予想できたはずです。
そして、長野新幹線車両センターが水害ハザードマップの最大浸水域にあることは、JR東日本の役員なら知っていたはずです。
なぜこの状況で車両を退避させておかなかったのでしょうか。
10編成のうち、少なくとも留置線に留め置かれていた7編成は待避させるべきではなかったのか。
それがリスク管理というものでしょう。
これと同じ事例は、東北大震災における石巻市立大川小学校の津波の一件ともかぶります。
どれだけの予見可能性があったのか、という話です。
あちらは人が死にました。
今回は、人は死んでいません。
だからといって、許されていいはずがない、と自分は思います。
株主から預かった資産はそれだけ被害を受けたのですから、株主から経営を付託されているだけの存在である取締役連中は責任をとるべきなのではないか?
自分はそう思います。
以上。