ベーシックインカム実証実験は新型コロナ対策として既に始まっている件

ベーシックインカム実証実験は新型コロナ対策として既に始まっている件

 

新型コロナ対策のバラマキはベーシックインカムと似ている

 

世界中の先進国が、新型コロナによる経済落ち込みを回避するため、カネをばらまいています。

国民に直接配ったり、企業に雇用維持するために配ったり、いろいろやっています。

 

自分は、今やっていることは「ベーシックインカムの実証実験」みたいなものだとみています。

働かなくても食える状況を作るために、政府がカネをばらまく。

政府はその原資を賄うために国債を発行し、中銀はそれを実質的に引き受けるかたち。

これはベーシックインカムの考えと同じようなものでしょう?

 

 

ベーシックインカムの短期的帰結はみえた

この長期的な帰結がどうなるかは、長期間やらないとわからないわけですが、短期的な影響は見えてきたと思います。

「資産バブル」です。

 

ここもと、個人投資家の口座開設数が非常に増えています。

この背景として、株価が急落したことで株を買いやすくなったと語られることが多かったように思いますが、それだけではないようです。

いち早く給付金が始まった米国では、給付金を使って株取引をする人が増えていると言われています。

手元資金に困っている人達は生活の足しにするでしょうが、手元資金に困っていない人は、受け取ったあぶく銭を使って資産運用に励んでいるようです。

アーリーリタイアをしたい人は、モノではなくて資産を買うということでしょうか。

給付金で買うには不動産は高すぎますから、手っ取り早く株式に向かうということなんじゃないかと思います。

 

そして、その資産運用を目論む人のうちの一部は、単純なマネーゲームに興じているようです。

破産したハーツ(レンタカー大手)の株価が大きく上昇しています。

理由として、中古車価格が回復傾向を示しているを指摘する人もいます。

ただ、債務は大きく、債権者への返済をしたあとで株主にどれだけを分配できるかは定かではありません。

個人的には、単純なマネーゲームのようにみえます。

もとがあぶく銭なので、失っても痛くないという感覚なんじゃないかと思います。

 

こうした動きは99年頃の日本市場でもありました。

倒産したはずの会社の株価が、1円つけたあとに暴騰したりするなど。

期日が決まったオプションをババ抜きするような動き。

 

ベーシックインカム後の日常

ベーシックインカムを導入すると、たぶんこうしたマネーゲームが日常化します。

「宵越しの銭は持たないぜ」とばかりに、人々は賭場に向かうでしょう。

そのなかには、数年先のベーシックインカムをあてにするような借金まみれのトレードも増えていくんじゃないかと思います。

マネーゲームで資産価格は乱高下をするでしょう。

生産活動は大して盛り上がらない一方で、リアルには使いきれないカネが右へ左へ流れていくはず。

ベーシックインカムを制度として受け入れるということは、そういうことなんだと思います。
自分としては、それはそれでいいんですけど、果たして人々はそれを良しと考えるのかどうか。
いま、そうした意識の変化まで含めた実験が、意図せずに行われているように思います。