誰がフェイクニュースを定義するのか~ウイグル族への人権侵害問題報道を考える
ウイグル族への人権侵害を騒ぐ西側諸国
綿花畑におけるウイグル族の強制労働、女性への性的搾取、新疆ウイグル再教育キャンプ・・・
中国の新疆ウイグル自治区における人権侵害問題を西側諸国の政府、メディアが騒いでいます。
米国は先んじて昨年7月に中国政府高官へのビザ発給停止と資産凍結を発表しましたしが、ここにきてEUなども追随する動きをみせています。
しかし、これはどこまでが本当で、どこからがデマなのでしょうか?
中国側はウイグル族への人権侵害を悪質なデマと定義
西側からの批判に対し、中国側はもちろん反発しています。
「性的暴行や虐待など存在しない」 中国、新疆ウイグルでの人権侵害批判に反発
そりゃそうです。
認めるはずがありません。
また、中国国内SNSなどを利用して不買運動を煽っているようにもみられています。
(毎度の如く、これら民間の活動において政府の関与がどれだけあるのかは不透明ですが。)
とりあえずですが、中国政府は真っ向からこのウイグル問題を否定しています。
すべては悪質なプロパガンダである、という方針。
デマを流したメディアは取り締まるし、メディアだけでなく個人も企業も制裁するぞ、という態度です。
いつもの中国です。
さてしかし、ここで中国を非難する側はどうでしょうか?
西側諸国のフェイクニュース狩りは、ウイグル族への弾圧を否定する中国の態度と大差なし?
ここで、視点を西側諸国に向けてみます。
西側諸国、とくに米国では今、SNSにおけるフェイクニュースの拡散が問題になっています。
フェイクニュースといえば新しく聞こえますが、端的に言えばプロパガンダ。
中国やロシア、イランなど政府の関与が疑われており、そうした疑われるアカウントが停止されたりしています。
また、RTにはご丁寧にもRussia state-affiliated mediaと表示されています。
China Xinhua NewsにはChina Xinhua Newsと表示されています。
(NHKにはJapan state-affiliated mediaなんて表示されていないのにね。)
そうやって、敵側と味方側を区別して、「プロパガンダに注意しろよ」とSNS各社が注意喚起しています。
また、「悪質なデマ」とSNS各社や西側政府が定義すれば、それは悪質なデマとなり、削除対象になります。
デマを流布した人物は法的な制裁を受ける可能性もあります。
・・・と書いてきてわかるとおり、これって実は中国がやっているとこと大差ない。
西側諸国の政府は、自分達は正義であり、自分達の言うことはすべて正しいかのように振る舞っています。
ただそれは、中国政府、ロシア政府とて同じこと。
結局のところ、何をデマと定義するかが国家主導になっているという構図においては、西も東も変わりない。
何を信じるかを政府に統制される社会は、どの宗派を信じるかを領主に決められてしまった中世ヨーロッパと同じ。
為政者は、そうやって民衆の思考を統制したがる。
他国を疑うのと同様に、自国政府の姿勢を疑う姿勢も、持っておいた方が良いと思います。
以上。