2018年8月15日 米国市況概況

 

昨晩のNY市場はダウ、ナスダック、S&P500、ラッセル2000の4指数すべてが大幅安。

トルコリラ暴落と欧州銀行株安を発端とした世界株安の余波が中国人民元安&中国株安に波及し、それがさらに一周してアメリカにやってきたかたち。

この日下げがきつかったのは、エネルギー、素材、資本財、半導体、一般消費財。

逆に上昇したものもそこそこあり、公益、不動産、通信、生活必需品

とりあえず、全面安になっていないのがアメリカの強さか。

 

個別にみていくと、EIAの週間原油在庫統計が大幅に荷余り気味になったことを背景にエネルギー株が大幅な下落、特に独立系石油銘柄は全面安。

コノコフィリップスCOP、EOGリソーシズEOG、アナダルコペトロリアムAPC、マラソンオイルMRO、サウスウェストエナジーSWNなどが6%を超える下げ。

シェブロンテキサコCVXも4%近い下落。

シュルンベルジェSLB、ベーカーヒューズBHGE、ナショナル・オイルウェル・ヴァーコNOV、テクニップFMC(FTI)も3~7%の下落。

これらエネルギー銘柄の多くがチャートパターン的に下げトレンド入りで、早晩回復できそうにないチャートなことは注意。

 

資本財はボーイングBA、キャタピラーCT、ディーアDEが揃って2%台の下げ、

情報通信もFAANG、GAFAなどと言われる銘柄が安く、アルファベットGOOGL、マイクロソフトMSFT、アマゾンAMZN、ネットフリックスNFLXが2~3%台の下げ。

ゲーム株は中国の規制を嫌気する部分もあり、アクティビジョンATVI、エレクトロニックアーツEAが2%後半の下げ。

半導体関連も安くマイクロンMUは6%台の下げ。アプライドマテリアルズAMAT、ラムリサーチLRCX、KLAテンコールKLACなど半導体製造装置も2%台の下げ。

高まる金融不安が足をひっぱるかたちで大手金融株も安い。

 

いっぽうで公益、必需品、タバコ、通信、不動産などの配当リッチな銘柄が上昇しており、セクターローテーションの動きもみえる・・・

 

が、この動きの持続性には個人的に疑問である。

いまのところは株式のポジションを大きく落とす動きにはなっていないが、いずれそうなるのではないか、と。

やはり数日前の本稿にも書いた通り、情報通信、ハイテク株売りが今回の下げには混ざっていると思う。

今まで本丸として買われてきたそれら銘柄が大きく下げる展開については注意が必要。

 

以上。