ソースネクスト~ポケトーク失速で業績悪化&株価暴落はあるか?

ソースネクストのポケトークに「海外で日本語選択できず」との報告~業績悪化&株価暴落はあるか?

 

今回は新型ポケトークW(Pocketalk w)でメディアの露出度も増えているソースネクストの業績と株価をみていきます。

まずはソースネクストの会社説明からはじめましょう。


ソースネクストとは?

ソースネクストはパソコン用の低価格アプリやスマホアプリなどを開発、販売する企業。

初期においてはあまり手の込んだソフトはなく、フリーソフトに毛の生えたようなものばかりを売ってきましたが、その後ウイルス対策ソフトなども販売。

近年、ロゼッタストーンを買収して翻訳ソフト販売などにも進出してきている会社です。

 

ソースネクストの自動翻訳機ポケトーク(POCKETALK)

ソースネクストは自動翻訳機ポケトーク(POCKETALK)を販売。

いままでの翻訳機よりも語彙数が向上しているとのことで、より翻訳精度を上げていると会社側は説明。

これを材料に、同社の株価は大きく上昇してきました。

 

 

ソースネクストのポケトーク(POCKETALK)に「海外で日本語を選択できない」という苦情?

このソースネクストの販売するポケトーク(POCKETALK)なのですが、最新版のポケトークW(POCKETALK W)も含め、海外のSIMをさすと日本語が選択できず、まったく意味のないものになってしまった、という苦情が相次いでいます。(Amazonのレビューなど参考)

実際にポケトークが海外SIMで日本語表示できなくなるかどうなのかは使っていないのでわかりませんが、新規購入を検討する方は気を付けたほうがいいのではないかと思います。

 

 

 

ソースネクストのポケトーク(POCKETALK)の競合機種

また、最近はポケトーク(POCKETALK)の競合になりそうな機種も販売が増えてきており、顧客における自動翻訳機の選択肢は増える一方、ライバル社との競争は激化する兆しがあります。

また、個人的な見解でいうと、いずれ翻訳機はスマホに統合されることになります。

現在のニューラルエンジンはまだ非力ですが、あと2年もしたら現在のポケトークレベルより遥かに良好なものがスマホに載るはずです。(あくまでも個人的な予測)

あわせて、音声認識&翻訳技術の巧拙が試される展開になるはず。

個人的には、この環境でソースネクストが生き残れる気がしません。

 

ソースネクストによる第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権/MSCB

ソースネクストは資金調達をしょっちゅう行う企業として知られています。

それも、第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権というもの。

いわゆるムービング・ストライク・コンバーティブル・ボンド(Moving Strike Convertible Bond/MSCB/転換価格修正条項付き転換社債型新株予約権付き社債)みたいなもの。

これはようするに、資金調達後の市場動向に応じて1株あたりの転換価格を修正するものですが、株価が大きく下落すると、転換される株数が急激に増えて希薄化が進むことになり、既存株主にとっては非常に厄介な代物になります。

ソースネクストはこれをかれこれもう10回くらい発行しているようで、なかなかに株主泣かせな会社だなぁと思います。

 


ソースネクストの業績

 

とりあえず、材料株を業績で見る必要があるのかどうかという疑問もありますが、ソースネクストの業績についてもみていきます。

(この記事は2018年11月9日に書きました。)

 

ソースネクストの2019年3月期決算の業績は売上高46.5%増、営業利益15.8%増、経常利益16.1%増、四半期純利益21.7%増、潜在株式調整後1株あたり四半期純利益6.13円

 

となりました。

売上の伸びに比べて利益の伸びが低いですが、これはポケトークWの販売にあわせ、販促費・マーケティングなどに多額の費用を使ったことが影響していると思われます。

ポケトークWはテレビの情報番組などでもたくさん取り上げられていましたが、その多くがPR広告だった可能性があると、自分はみています。

たぶんソースネクストはポケトークWに自信があったので、これだけ大規模に販促しようと思ったのだと思います。

 

ポケトークWはソースネクストの期待ほど売れていない?

ですが、ソースネクストによるとポケトークは期待ほどに売れていないとのこと。

ポケトークWの販売が振るわなかったことについてソースネクストは決算短信のなかで以下のように説明しています。

「POCKETALK W」の量産開始が遅れたことによって当初8月の販売予定が9月にずれ込んだこ
とや、大型台風が相次いだことで、空路での製品輸送に遅れが発生し9月の入荷数が想定より大幅に減ったこと
などから、当初見込んでいた販売台数分の在庫が確保できず、売上予想を下回りました。

これについて、具体的にみてみましょう。

 

こちらはソースネクスト2018年中間期のバランスシート、資産の部です。

現預金がやたら増えているわりに(たぶん大量に買い付けして販売したかった)、在庫があまり増えていません。

たぶん、ソースネクストの言い分は正しいと思います。

これだけ大規模に販促した割に、在庫がこの程度しか増えていないというのはおかしい。なにかあったとみるべきでしょう。

とりあえず、ソースネクストのポケトークWが売れているかどうか確認するには、次の3Qまで待つ必要がありそうです。

 

ただ問題は、Amazonのレビューなどがあまり芳しくないこと。

2018年11月9日現在、ポケトークWの星は2.9です。

5つ星が32%、4つ星が18%、3つ星が12%、2つ星が3%、1つ星が35%となっており、5つ星よりも1つ星が多い。

多くの人が不満に感じているということでしょう。

とりあえず、このレビューの低さが売り上げに影響しないかどうか、そこがポイントになってきそうです。

 

 

ソースネクストの株価

ソースネクストの株価ですが、決算を受けて急落しています。

週足ベースでみると、ソースネクストの株価は暴落しています。

とりあえず、チャートは壊れていませんが、あげて、ためて、急激に吹いて、材料出尽くしで売られる・・・という展開は非常によろしくない動きにみえます。

個人的には、これは危険な動きにみえます。

一般的なリスクコントロールであれば、外すのが適当なパターンではないか、と感じます。

 

 

今回はポケトークWで話題のソースネクストの業績と株価にういてみてきました。

なお、上記はあくまでも個人的な見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。