APEC首脳宣言、ペンス副大統領が強硬姿勢つらぬき採択できず
APEC(アジア太平洋経済協力会議)閉幕、米中対立で首脳宣言採択できず
日本、中国、アセアン諸国、アメリカなど21か国・地域が参加したAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が18日閉幕しました。
今回のAPECではパプアニューギニアが議長国となりましたが、米中対立構造を調整することができず、APEC初の首脳宣言未採択となりました。
ペンス副大統領はAPECで狂犬ぶっているだけ
個人的な見立てでは、ペンスは狂犬の役回りをきっちり果たしているだけにみえます。
場の調和を乱して、騒いで、ワンワンよく吠える犬の役目です。
みんなが怯えて、戸惑って、嫌な気分になっているところに、飼い主のトランプ大統領があらわれて、
「こらこらやめなさい、おちつきなさい」
とやって、習近平とのサシのディールに持ち込む。
周りのみんなは「よかったよかった。トランプさんが来てくれた」となる。
これで習近平がトランプの提案に応じなかったら
「なんでトランプさんがせっかく来てくれたのに応じないんだよー!」
って非難されるのは習近平の側になるわけですね。
これがいつものトランプのやり方です。
政権内で役割分担しているだけにみえます。
以前はトランプが飼い犬で、ペンスたちが飼い主なのかもしれないと見ていましたが、どうもそうではなさそうに思います。
あまり言いたくありませんが、ペンス副大統領はそれほど頭がよさそうにみえません。
せいぜい、ナンバー2にしかなれない人物という気がします。
仮に副大統領から次期大統領候補になったとしても、リンドン・ジョンソンだとかジェラルド・R・フォードみたいに短命で終わるような気がします。
しかし、APECの場を乱したのは果たして得策だったのか?
しかしなんですね、わざわざAPECの場を使ってこんな茶番劇を演じる必要があったのかは、個人的には疑問です。
パプアニューギニアは今回のAPECに先立って、習近平国家主席との密接な関係をアピールしており、これに米国側がいらだっていた可能性はあります。
(中国側の700億円規模?の援助で道路が作られたことの記念式典が盛大に開かれました)
しかし、絶対に中国が飲めないような条件を提示してAPECの場を建設的な対話の場から程遠いものにしたことは、アメリカ側にとってもイメージ戦略上あまり好ましいものではなかったはずです。
パプアニューギニアは豪州と中国との関係の間で揺れており、非常にどっちつかずの態度をとっています。(パプアニューギニアは第2列島線の中心となる国です)
今回の件でパプアニューギニアに恥をかかせたのは、戦略的にあまり得策ではなかったのではないか、と感じます。
By DoD – Image:China Report 2006.pdf, パブリック・ドメイン, Link
とりあえず、APECの場で争点の整理ができたのは有意義だった
とりあえず、APECはごちゃごちゃにされてしまいましたが、国際会議が超大国の思惑で混乱させられるのはよくあることなので、それはそれで気にしなくていいと思います。
今回、唯一の成果は、米国側が要求していることの整理がされたことでしょう。
ようやく準備書面が提出されて、争点が整理されて、それが多くの人の目に見える状態になったということです。
あとは、妥当なところで折り合えばよし、そうでなければ続くということ。
まだまだ第一回めの弁論も行われていない状況です。
今後、ゆっくり適当なところに向け進むと思われます。
以上。