【6305】日立建機の業績と株価~ハードなリセッションを織り込む動き?

【6305】日立建機の業績と株価

 

今回は建機大手の日立建機についてみていきます。

まずは日立建機について説明します。


日立建機とは?

日立建機は日立系列の建設機械メーカーです。

建設機械業界シェアではキャタピラー、コマツに次ぐ3位ぐらいの位置にあります。

コマツなどに比べ売上高に占める建機比率が高く、鉱山用機械の比率はそのぶん低くなっています。

 

 

日立建機の沿革

1969年 日立製作所の建設機械部門が日立建設機械製造として分社化

1970年 日立建設機械製造と日立建機(旧販社)が合併

1981年 東証二部上場

1989年 東証一部上場

 

日立建機の事業

日立建機の事業は建機と鉱山機械を製造販売するほか、保守・部品販売、中古建機売買なども行っています。

 

 

日立建機の業績

ここからは日立建機の業績について会社説明資料や決算資料などを基にみていきます。

(この記事は2018年12月11日に書きました)

 

日立建機の2018年Q2決算の業績

 

日立建機の2018年Q2決算の業績は売上高、営業利益ともに増収増益となりました。

包括利益は保有株式などの変動で減益となっています。

日立建機の2018年Q2販売先地域別売上

日立建機の2018年Q2販売先をみると、アフリカ、中近東、日本以外のほぼすべてが増収だったことがわかります。

とくに鉱物資源の開発が進んだことから、オセアニア、ロシアなどが20%台の伸び。

また建機は米国の開発が進んだことから、こちらも20%台の伸びとなっています。

日立建機は中間期決算が好調に推移したことから、通期決算の業績も見通しを上に設定し直しています。

 

 

日立建機の株価 2018年12月11日

 

日立建機 日足株価

業績は悪くなかったものの、その後、全体の市場環境の悪化などを受けて日立建機株は下落しています。

目先下げ止まりの雰囲気はまったく見えず、底なし沼のようになっております。

なお、バリュエーションからみると通期EPS予想の11倍程度の株価となっていますが、シクリカルセクターであることからEPS予想のブレは大きく、バリュエーションを理由に買うのは危険、という意識が広く広がっているように思います。

 

日立建機 週足株価

とりあえず、このような下落局面は2007年ころの下落に酷似しており、市場はハードなリセッションの可能性を意識した展開になっているようにみえます。

おおざっぱにみて、大体中間地点を通過、と言った感じでしょうか。

日立建機は悪い企業ではないと思うのですが、逆張りで買うのは怖い状況となっています。

 

以上、日立建機の短評でした。

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任で行っていただきますようお願いいたします。