Supermicroのスパイチップ騒ぎはなんだったのか?~大手調査機関Nardello & Co.が「シロ」判定~Bloombergの報道姿勢を考える~
「Supermicroのマザーボードにスパイチップはなかった」~大手調査機関Nardello & Co.が結論
Bloombergが「Supermicroのマザーボード上のスパイチップが埋め込まれている」と報じてから約3カ月になりますが、このたび、Supermicro側が大手調査会社Nardello & Co.に依頼していた調査結果が出てきました。
結果としては、大方の予想通り「シロ」。
Supermicroの製品にスパイチップは入っていなかった、というものです。
Supermicro says an outside investigator found no evidence of …
最初から多くの技術者は嘘ニュースと笑っていた「Supermicroのスパイチップ」疑惑
多くのテック系の方たちは、今回の「Supermicroのスパイチップ疑惑」について、まったくバカバカしいと思っていたように思います。
そんなもの、パケットをみればバレバレですし、わざわざ搭載する意味がない。
搭載するにしても基板の途中にポンと置けば機能するわけじゃありませんから、設計段階から載せる必要がある。
ということは、Supermicroもしくは設計依頼先が関与しないと無理なわけですが、そんなあほなことするはずがない。
そもそもそれをしたかったらPLDでやるはずで、なんで融通の利かないチップをわざわざ載せるのかさっぱりわからない。
こんな感じの論調が多かったように思います。(私見)
まぁ、その見方は妥当でしょう。
AmazonもAppleも米国国土安全保障庁ですらも、「Supermicroのスパイチップ疑惑」を全否定
Bloombergが「Supermicro製マザーボードにスパイチップが搭載されている」と報じた今回の事件で、名指しされたAmazonやAppleなどは即座に報道内容を否定。
そんなものはみつかっていない、と主張していました。
また、米国土安全保障庁ですら、そういった疑惑はないと否定してきたわけですが、Bloombergは一貫して「証拠がある」と主張。
Bloombergによるスパイチップ報道でSupermicro株は一時41%超下落
Bloombergがスパイチップ報道をしたせいで、Supermicro株は一時41%も下落しました。
Supermicro株 SMCI 5分足チャート
まぢありえねw
ここまであからさまなトバシ記事を書いたBloombergの責任はないのでしょうか・・・
Supermicroのスパイチップ疑惑によってファーウェイなど中国企業も割を食った可能性
ここもと、メディアや政府系機関が何の根拠もなしに
「ファーウェイやZTEの基地局やスマホにスパイチップが入っているかもしれないから、疑わしきは排除すべき」
と流しまくっていますが、まさにこの引き金を引いたのがSupermicroのスパイチップ騒ぎだったわけです。
そういう意味で、このBloombergの報道は非常に罪深い、と思います。
Supermicroのスパイチップ疑惑は、まるで第二次大戦前の日系人差別や朝鮮人差別、ユダヤ人差別のよう。。。
自分は、この中国製スパイチップ疑惑報道をみるにつけ、第二次世界大戦前の日系人差別や、関東大震災のときの朝鮮人差別、中世ヨーロッパのペスト流行時のユダヤ人差別もこんな感じだったのだろうなぁという感じがしています。
不確かな噂、根拠の希薄なデータに基づいて集団でつるし上げて迫害する。
そこに国家もガス抜きとして加担する。
その噂が嘘だとわかっても、頑なに嘘ではないと言い張る。
そのせいで犠牲者が出ても、遠い未来にゴメンナサイっていうだけで済ませようとする。
歴史の一ページにそんなことがありました~として風化させる。
これは、今現在進行形で行われていることです。中国に対して。
もちろん、中国は中国でいろいろと問題がある。それは間違いない。
けれど、今回のBloombergの報道姿勢からは、どうもその中国以上に気色悪いものを感じます。
報道の形を借りてファッショを煽るような行為は、厳に慎むべきと思います。
以上。