モルディブのソリ大統領がインド外遊で14億ドルの融資枠を獲得
モルディブのソリ大統領、就任後初の外遊先はインド
11月に就任したモルディブのソリ大統領が、初の外遊訪問国に選んだのはインドでした。
前の大統領は中国への擦り寄りを示していましたが、今回のソリ大統領は再度インド寄りに転換しています。
おおかたのメディアは、これをインド勝利、中国敗北のように伝えています。
しかし、実質的にみるとそうもいえないのが現実です。
モルディブのソリ大統領、インドから14億ドルの融資枠を獲得
今回のモルディブのソリ大統領の外遊ですが、モルディブに影響力を行使したいインド側から14億ドルの融資枠を獲得することに成功しました。
モルディブは前政権で進められた巨額のインフラ投資事業(空港と本土を結ぶ中国モルディブ友好大橋など)で3700億円規模、国民一人当たり90万円以上の借金を抱えることになっており、その多くが中国への支払い義務のあるものとなっています。
今回、この債権者である中国との関係を切ってあげるために、モルディブにインドが融資してやる、というのが構図となっています。
しかしこれ、多重債務者問題を考えてみれば、誰が現実的な得をしているかはわかるはずです・・・
モルディブのソリ大統領はまんまと二局面から旨い汁を吸えた!
これによって一番得をしているのは、間違いなくモルディブです。
モルディブのソリ大統領はインドから借りた金で中国にカネを返します。
でも、インフラ自体はモルディブに残るのです。
これはおいしい!
IMFの言うとおりにしていたら、橋は外資に売却して通行料をとることになっていたでしょうが、そういった痛みを受けることなくフリーハンドで経営できるのです。
これは素晴らしくおいしい状況です。
モルディブのソリ大統領から借金を返済された中国もまた、おいしい
そして二番目においしいのは、借金をしっかり返してもらえるアテがついた中国です。
中国は、前の大統領との契約で南部の島の港湾を軍事面、商業面両面で利用可能だと言われています。
そうした契約を結んだうえで、貸していたカネだけ返してもらえるのです。
こんなおいしい話ありますか?
いちばん損をしているのは、モルディブのソリ大統領との友好のためにカネを貸し付けたインド
今回の一番の敗者は、間違いなくインドです。
メディアの多くは「モルディブがインド寄りになった。インドの勝利だ!」みたいに報じていますが、全然そんなことはありません。
そして、IMFによって旨い汁を吸えなくなった米国や欧州、日本など西側諸国の連中も負け犬です。
まぁ、これらの国々は実質的に損も得もしていないので痛くもないのですが。
モルディブのソリ大統領の外遊は大成功!
とりあえず、今回のモルディブのソリ大統領の外遊は大成功でした。
インドはまんまとハメられてしまっています。
というか、わざわざハメられに行っているような感じにみえます。
いろいろと情けない。
あと数年たって、この時の問題点に気づくでしょうが、その時は時すでに遅し、です。
いろいろ情けないなぁと思います。
以上。