新型新幹線『N700S』 2019年中に時速360㎞の走行試験を開始

新型新幹線『N700S』 2019年中に時速360㎞の走行試験を開始

 

東海道新幹線に導入予定の新型新幹線『N700S』 輸出を視野に時速360㎞の走行試験を開始

東海道新幹線に導入予定の新型新幹線『N700S』ですが、米国や台湾への輸出を視野に時速360㎞での走行試験を開始するとのことです。

なお、国内での運用においては時速285㎞での営業運転のままとのこと。

これは線路の線形の問題によるものです。たぶん。

 

新型新幹線『N700S』とは?

新型新幹線『N700S』はJR東海(東海旅客鉄道)およびJR西日本(西日本旅客鉄道)が2020年から運用を開始する予定の新型車両です。

最新技術を導入して低消費電力、緊急時の自走手段の確保などが図られています。

 

新型新幹線『N700S』のSはSupreme(スプリーム)のS

新型新幹線『N700S』のSはSupreme(スプリーム)のSとのこと。

最高の新幹線車両という意味だそうです。

 

 

新型新幹線『N700S』の製造は日本車両と日立製作所

新型新幹線『N700S』はJR東海子会社の日本車両と日立製作所が共同で制作したとのこと。

日立は世界で鉄道事業を展開しており、輸出も視野にいれた展開を考えています。

なお、日本車両は近年大赤字を出しており、この点からも新型新幹線『N700S』の成功が期待されます。

 

 

 

新型新幹線『N700S』に採用されたデュアルスプリームウイング型

新型新幹線『N700S』の先端は、N700系・N700Aの「エアロダブルウィング形」の発展形、デュアルスプリームウイング型のノーズになっています。

これは日本車両の小牧研究施設における風洞実験で開発されたものとのこと。

走行時の風圧を最小限に抑え、省エネ性能を高め、トンネル突入時における風圧、騒音も抑えることが期待されています。

 

 

新型新幹線『N700S』における駆動システム・パワーモジュールの炭化ケイ素(SiC化)

新型新幹線『N700S』ではパワーモジュールの炭化ケイ素化(SiC化)が進展。

メイン変換装置はJR東海と共同で、日立、三菱電機、富士電機、東芝が共同開発。

実際にどの企業が受注するかはわかりませんが、三菱電機だけがトランジスタまで含めてSiC化、それ以外の各社はダイオードのみSiC化した方式で受注を目指すもようです。

 

 

新型新幹線『N700S』のモーターは6極駆動モーターを採用

新型新幹線『N700S』のモーターは東芝、三菱電がSiC素子のスイッチングによる6極駆動モーターを実現。

日立、東洋電機製造、富士電と共同で製造するとのことです。(日刊工業1月1日)

 

 

新型新幹線『N700S』にヤマバ歯車を採用

新型新幹線『N700S』には新日鐵住金と共同開発したヤマバ歯車を採用し、軸受の損耗を抑え、メンテンナンス性を向上させたとのこと。(日刊工業1月1日)

 

新型新幹線『N700S』のパンタグラフ

新型新幹線『N700S』のパンタグラフは、新たに開発した「たわみ式すり板」を採用。

これは工進精工所が開発、東洋電機製造が供給するとのこと。(日刊工業1月1日)

 

 

 

 

新型新幹線『N700S』は16両編成以外にも可能

新型新幹線『N700S』は16両編成以外にも12両編成、8両編成なども可能なように設計されています。

これにより、海外への輸出時に現地の要望にあわせやすいように設計されています。

 

 

新型新幹線『N700S』は米国や台湾への輸出を企図

新型新幹線『N700S』は米国テキサス州に建設予定の高速鉄道網ゃ台湾新幹線への採用を狙っています。

これらのテキサス州は新設、台湾新幹線はリプレースという形になりますが、現地の要望に合致したものを提供できるように、編制数、高速性能など共通化できる範囲を共通化しています。

こうして汎用化することでコストを低減することが期待されています。

 

新型新幹線『N700S』の試験は昨年から開始、すでに時速330㎞までは確認済み

新型新幹線『N700S』の運行試験は昨年から開始しています。

すでに16両編成での運行性能は確認されており、今後はテキサス州での運用をめざし、8両編成時の時速360㎞運転の試験をしていくとのことです。

 

国内で新型新幹線『N700S』を8両編成で走らせる予定はない、とのこと

なお、8両編成での時速360㎞運行ですが、日本国内では行う予定がないとのことです。

これには現在の混雑環境、および線路の形の問題、トンネル突入時の騒音問題などが影響していると思われます。

 

 

新型新幹線『N700S』はリチウムイオンバッテリーを搭載、自走可能

新型新幹線『N700S』はリチウムイオンバッテリーを搭載しており、緊急時にはパンタグラフからの給電がなくても自走することが可能とのことです。

供給は東芝インフラシステムズ。

これにより大地震などの際に緊急停車しても、最寄り駅まで移動して乗客を降ろすことが可能になり、ダイヤ編成の復旧が早まることが期待されます。

なお、すでに低速でのバッテリー運行は確認済みとのこと。

今後は時速30㎞程度での走行を試験していくとのこと。朝日新聞10月25日

 

 

新型新幹線『N700S』のシートはコイト電工、天龍工業、シロキ工業など

新型新幹線『N700S』のシートは

  • グリーン車はコイト電工が設計
  • 普通車はコイト電工と天龍工業が設計

製造は、コイト電工、天龍工業、シロキ工業の三社で分担

 

 

新型新幹線『N700S』の客室内ライトはコイト電工と東芝ライテック

新型新幹線『N700S』の調光システムはコイト電工と東芝ライテックが納入

駅到着前になると客室が明るくなるとのこと。

 

 

 

新型新幹線『N700S』には普通車全座席にモバイル用コンセントを設置

充電池搭載により電源に余裕のできた新型新幹線『N700S』では、普通車全座席にモバイル用コンセントを設置するとのこと。

また、グリーン車にはフルアクティブ制振制御装置を搭載するとのこと。

 

 

 

新型新幹線『N700S』は東京オリンピック2020にあわせて導入予定

新型新幹線『N700S』は東京オリンピック2020にあわせて導入予定とのこと。

海外へのアピールに余念のない新幹線となります。