【統計】2018年12月の米雇用統計コメント
2018年12月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比31万2000人増、失業率3.9%、平均時給3.2%増
12月の雇用統計はあまりにも強すぎる内容。
特に平均時給の前年比伸び3.2%増は、ここ3カ月で賃金上昇率がトレンドから乖離して高まっていることを示しており警戒感の高まる水準。
グラフはこちらを参照⇒【統計/月次】雇用統計関連(非農業部門雇用者数 失業率 平均時給)【グラフ】
まだ消費者物価などには波及していないが、それも時間の問題と考えるのが妥当。
失業率3.9%もあまりにも低すぎ、労働参加率などとあわせてみても長くこれが維持されるとみるのは不適当。
12月の雇用統計の結果は利上げ継続にお墨付きを与える内容
市場ではパウエル議長およびFEDの利上げ姿勢に対して批判が高まっているが、今回の雇用統計の結果は利上げ継続への承認を与える内容と言える。
もちろんバックミラーをみながらの運転といわれかねないが、それにしても、これを放置して利下げなどということは、ちょっと考えにくい。
12月雇用統計がマーケットに与える影響
12月PMIおよびISMの数字が芳しくなかったことから、近いうちに米国経済が失速して雇用市場に波及、賃金上昇率も落ちるとみる向きもあるが、少なくともソフトデータでなくハードでこういう数字が出てくると、政策当局者としては余程の胆力がなければ利下げには動けまい。
マーケットが次に大荒れになったとしても、せいぜい傍観して利上げ見送りする程度が関の山ではないか。
グラフはこちらを参照⇒【統計/月次】雇用統計関連(非農業部門雇用者数 失業率 平均時給)【グラフ】
LTCM破綻レベルのものがあれば利下げもあるかもしれないが、その場合も3回もやらずにせいぜい1回だろう。
とりあえず、政策的後押しは期待できない状況にある、といえると思う。