【金属】LME(ロンドン金属取引所)が児童労働撲滅に向け本腰~コンゴ民主共和国からのコバルト供給に影響か
LMEが児童労働撲滅に向け行動
LME to ban metal tainted by child labor or corruption
ロンドン金属取引所LMEが鉱山における児童労働問題に本腰を入れる方針を示しています。
OECDで定めた指針に基づく査定を各企業に対し2020年末までに行うとのこと。
これに基づいて2022年までに改善を求め、従わなければ取引停止にするとのことです。
また、金属の供給側企業にたいし、2024年までにすべてのサプライチェーンを公開するよう命令するとのこと。
LMEにおける児童労働撲滅への取り組みはコンゴ民主共和国におけるコバルト生産に影響する可能性
今回のLMEの対応の影響は、EVの三元系正極材に使われるコバルトの生産に大きな問題となる可能性があります。
コバルトの産地は旧ザイール、コンゴ民主共和国ですが、内戦の激化で治安が悪化。
各武装勢力が児童を鉱山で労働させていると言われています。
⇒コンゴ民主共和国DRCのコバルト生産~少年兵と鉱山における児童労働
また、コンゴ民主共和国はコバルト生産において、世界シェアが2/3となっています。
⇒【統計】コバルト生産量と埋蔵量~DRC(コンゴ民主共和国)が世界生産の約2/3シェア【グラフ】
コバルトのサプライチェーンは非常に隠ぺいされていて、汚い金属の流れが以前から指摘されてきました。(エクストラータの賄賂問題など)
もしここに本腰を入れるようになると、LMEに流れないコバルトが中国に向かうことになるかもしれません。
中国のEV生産には後押しとなるかもしれません。
いろいろと影響が出てきそうで、注目です。
以上。