【統計】コバルト生産量と埋蔵量~DRC(コンゴ民主共和国)が世界生産の約2/3シェア【グラフ】

【統計】コバルト生産の世界シェアはコンゴ民主共和国DRCが1位

 

 

今回は、リチウムイオン電池の正極材材料としても非常に重要な意味を持つコバルト資源の生産量シェアについてみていきます。(以下のデータはBPの資料を基に作成しています。)

 

 

Democratic Republic of Congo 90.3
Canada 6.4
Russian Federation 5.6
Rest of World 5.4
Australia 4.7
Philippines 4.2
Cuba 4.1
Papua New Guinea 3.2
Madagascar 3.1
New Caledonia 2.8
Zambia 2.7
Morocco 2.5
South Africa 2.5
World 137.5

 

2018年現在、コバルトを世界で一番生産している国はコンゴ民主共和国(DRC)です。

コンゴ民主共和国はかつてザイールと呼ばれていた国で、地下資源がとても豊富なことで知られています。

そのため、コンゴ民主共和国では紛争がたえず発生しており、現在でも多数の部族が少年兵を利用した殺戮を繰り返しているといわれています。

コンゴ民主共和国DRCのコバルト生産~少年兵と鉱山における児童労働

 

 

また、こうした状況下で衛生状態も劣悪になっており、エボラ出血熱の大規模な感染拡大、パンデミックが起きる可能性も広がっています。

18/5/28午後 コンゴ民主共和国DRCでエボラ蔓延、コバルト生産に影響は?

18年5月19日午後 コンゴ民主共和国でエボラ出血熱発生

 

 

こうしたなか、欧米企業はコンゴ民主共和国への手控え、その状況下で中国の企業が政府のバックアップで活動を活発化しています。

18/6/12午前 中信金属、華友鈷業、格林美、チャイナモリブデン、中国五鉱集団、紫金鉱業がコンゴ民主共和国で鉱山開発

 

なお、コバルトの埋蔵量でみても、やはりコンゴ民主共和国が一番です。

コバルト埋蔵量 2017

 

Democratic Republic of Congo 3500
Australia 1200
Rest of World 539
Cuba 500
Philippines 280
Zambia 270
Canada 250
Russian Federation 250
Madagascar 150
New Caledonia 64
Papua New Guinea 51
South Africa 29
Morocco 17
World 7100

 

コバルトは資源の偏在が激しくなっています。

実際には銅などがとれるところであれば取れるはず、とも思うのですが。。。