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中国語AI音声識別技術のアイフライテック(科大訊飛/iFlytek)についてみてみよう

中国語AI音声認識・音声識別技術の最大手、アイフライテック(科大訊飛/iFlytek)についてみてみましょう

 

企業短評、今回は世界的な音声認識・音声識別技術大手アイフライテックをみていきます。

アイフライテックの技術は、簡単に言ってしまえばAI(人工知能、ディープラーニング)を用いた音声認識と音声識別、そしてその識別した音声から文章を作成し、その文章を理解し、さらに文章を作って(このときに翻訳も可能)、音声を合成して伝える・・・という一連の流れをすべて行うものです。

 

 

中国科学技術大出身の

CEOが率いるアイフライテックは、世界でもトップレベルの音声識別技術とAI技術を持つとされ、その実力は「MIT(マサチューセッツ工科大)が選ぶ2017年 グローバルスマート企業トップ50」の6位にランクインしたほどです。

ちなみに、5位はGoogleの親会社アルファベット、4位は遺伝子検査解析の23andMe、3位がクラウドとネット通販大手Amazon、2位がイーロンマスク氏が立ち上げた民間宇宙開発企業スペースX、1位は画像処理技術最大手のNvidiaです。そんな企業と一緒にランクインする同社は凄いのだと思います。

ちなみに、同社より下には、8位に中国ITの巨人テンセント、16位にスマホのApple、23位にSNS大手フェイスブック、25位がAIドローンのDJIがランクインしています。このランクからみても、やっぱりアイフライテックは凄そうです。

 

またスタンフォード大学が行う人工知能分野の英語認識力、理解力を試すSQuADテストにおいて、アイフライテックがマイクロソフト、IBMワトソン、Googleなどを抑えて堂々の一位になったことがあります。

https://rajpurkar.github.io/SQuAD-explorer/

その後、現在はGoogleやYuanfudao(猿輔導)などがアイフライテックより上にきていますが、とりあえず、トップ争いの一角であることは間違いないと思います。

 

 

また昨年、中国の医師国家試験において筆記試験を通過したロボットが出現したと一大ニュースになりましたが、その文章認識、文章読解、理解の根幹を支えていたのはアイフライテックのディープラーニング技術でした。この時の点数は上位100人に入るほどのレベルだったそうで、600点中456点を獲得。合格ラインから96ポイントも上だったそうです。

日本の某一流大学でも大学入試試験に合格するためのAIを開発していましたが、そちらの方は結局研究中断だったそうです。問題の傾向が違うので単純には言えませんが、同社のAI技術の高さがよくわかるように思います。アイフライテック社は単なる音声認識技術の会社ではなく、文章の認識、理解、それのアウトプットの面でも高い技術水準を持っていることを示していると思います。

 

なお、アイフライテックは中国科学技術部が認定した次世代4大人工知能プラットホーム発展計画の4社のうちの一社になっています。

医療技術のプラットホームがテンセント(騰訊/Tencent)、自動運転分野ではバイドゥ(百度/Baidu)、スマートシティ分野ではアリババ(Alibaba)が認定されており、これらBAT(中国版FAANG)と肩を並べる水準にあると、中国政府にも認められています。


 

なお、アイフライテックのディープラーニング、AIを用いた製品は中国国内のシェア7割を超えるとされ、教育、医療、司法(裁判所の速記など)、カスタマ―サービス、研究分野で多く利用されているそうです。

科大訊飛ホームページより

医療現場では音声電子カルテシステムに同社の製品が採用されはじめているとのこと。こちらの記事によると医師は音声で話すだけでカルテを作れたり、AIで症状から病状判断を効率化したり、画像の解析処理で病変をみつけたりできるのだとか。将来的には処方箋を出すところまでAIで処理できるようにするということです。

教育でも、アイフライテックのサービスはすでに中国内外(シンガポールも含む)で一万件以上の現場で利用がされているそうで、20万人以上の教師と5000万人の学生に利用され、授業全体の管理、生徒の学習進捗確認、教師の問題作成などに活躍しているのだそう。

また個人向けサービスとしては、アイフライテックはSiriやアレクサのようなサービスを展開しているそうなのです。シャオイー(暁訳)、フォンベイ(翻唄)というツールを販売し、これらは中国人が海外旅行するときの便利な通訳助手になっていて、現在アイフライテックの利用者数は9億人以上、市場規模は400億元に達しているとのことです。

また少し物騒な話では、一部の街中にも同社の製品が政府によって設置されていて、悪いことを話している人を見つけてマークしているのでは?などと書いてある記事もありました。(ソース失念、そのうち探してみます)


ちなみに、アイフライテックの本社は安徽省合肥市にあるのですが、以上のような音声認識を中心に据えた技術展開をしていることから、通称スピーチバレー(Speech Valley)と呼ばれているのだそう。(もともとの社名は安徽中科大讯飞信息科技有限公司といいます)

 

さいごに、アイフライテックの株価についてみていこうと思います。深圳A株市場上場 コードは002230です。

 

アイフライテック 日足株価チャート

 

アイフライテック 週足株価チャート

 

なお、アイフライテックはベンチャー企業みたいなものですから、バリュエーションは割高です。2019年通期ベースでみてもPER60.2、EV/EBITDAでみて39.6倍です。

 

チャートはみてのとおりかなり下向きになっています。

バリュエーションも高いです。

ボロカスに売られる可能性はあります。

そこは、仕込み時かもしれないなぁとおいらはみています。

 

とりあえず、そんな感じで今回の短評記事をおわります。

なお、上記の記事は2018年7月2日に書きました。バリュエーションの計算、同社を取り巻く事業環境などは、書いた当日に得られる情報の範囲内でまとめてあります。また当然のことながら、上記は個人的な見解を書いたものであり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たっては自己責任、自己判断にておねがいいたします。